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呪いの言葉【赤】 ページ19

「今の話は、なしや」


彼が乱暴に ソファに座る私の隣に腰掛けてくる。


スピーカーから流れる音楽は、エンディングに向かって盛り上がっていた。

必然的に、だんだんとお互いの声が大きくなる。



「…どうして? 終わりにしようって、すごく悩んで、ようやく…」

「そんなん知らんわ。俺は許さんよ」


背もたれに体重をかけた彼の右腕が、私を制圧するように肩に回される。


一見 落ち着いているように見える彼の様子が、なんだかおかしく感じられるのは、この音楽のせいだろうか……



「…もう、他に女の人、いるでしょ…グラス…口紅ついてたよ…」


「あー? …ああ、やる気満々でうち来たアホな女のことやろ。

乗っかってきたから抱いたったけど、全っ然ようなかったわ。

もう会うこともないやろな」


「最っ低…」


なんでもないことのように認めないで。

私は背中から回されたその腕を、必死で振り払う。


「そんなんお前が一番知っとるやろ。今まで何見てきとんねん」


「もう、そういうのっ…無理なの…

だからもうっ…やめるっ…」


私は、もう必死だった。

何を考えているのかわからない彼に恐怖すら感じて、ここから早く逃げ出したかった。


振り払った手を押さえつけ、彼が私を後ろから羽交い締めのようにする。


「逆やろ」


「…え?」





その時 耳元で、

彼が低い声で、

私に残酷な言葉を告げる。



「…お前は、俺がおらんと生きていけんやろ」



それは呪いの言葉だった。




ーーーこんな展開は、予想だにしなかった。





「お前は 俺以外では感じひんよ」

射すくめる瞳【赤】→←沈黙する悪魔【赤】



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たまご(プロフ) - ななさん» なな様、うれしいコメントありがとうございます^ ^ すばるくんとの旅行、一緒に楽しんでくださいね^ ^ (2018年1月11日 1時) (レス) id: 30c6e5130b (このIDを非表示/違反報告)
たまご(プロフ) - あくあさん» あくあ様、いつもありがとうございます! 青さん派のあくあさんには申し訳ないですが、不器用すぎる赤さんとの旅行、一緒に楽しんでいただけるとうれしいです! (2018年1月11日 1時) (レス) id: 30c6e5130b (このIDを非表示/違反報告)
たまご(プロフ) - psycheighterさん» psycheighter様、コメントありがとうございます^ ^ 有り難いお言葉、うれしいです…! 彼らも大人なので、こんな恋愛していてほしいという、私の願望が詰まっておりますが…笑、最後までお付き合いいただけるとうれしいです。 (2018年1月11日 1時) (レス) id: 30c6e5130b (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - 今1番更新が楽しみな小説です。私はすばる担なのですばるくんと幸せになったらいいなぁとドキドキしながら読ませて頂いてます! (2018年1月11日 0時) (レス) id: 6cdacb0f72 (このIDを非表示/違反報告)
あくあ - ほんと不器用すぎて切なすぎる。けど、それも赤さんっぽさが出てていい。あぁ〜映画化してほしい。笑 (2018年1月10日 23時) (レス) id: 4e4eb3dcc1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たまご | 作成日時:2018年1月2日 17時

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