トラガスとロック

散らばったJewelry ページ1

大倉「ぅおーいっ、これお前が持ってたーん？」


「あれまっ、ホンマやねー？知らんかったー。笑」


大「おんまっ、借りパクすなやーっ。笑」ｹﾞｼｯ


「ゴメンて。笑」




大「探してたんやからなー、俺のお気に入りーっ」ｺﾞｿｺﾞｿ



大「あー、こんくらいの輪っかのヤツ欲しかったんよー、なぁヤス、これ利子ついでにもらってええ？」



「ピアスに利子ぃー？やからコス倉言われんねんでー？笑」





久しぶりの、オフの日。



当たり前のよーにウチに居座って、
"相変わらず散らかってるなー"
ってディスるおーくら。


テキトーに聞き流しながらギターを弾くおれ。



苦楽を共にする長年のツレといつもの会話。
心地よいやりとり。





"ビールあるー？"って、
おれの返事を聞く前に冷蔵庫を漁りに行ったおーくらが躓いたのは、
テーブルの下が定位置だったはずのジュエリーボックス。



きっとアイツがソファーに寄っ掛かってダラけとったから、
ムカつくくらいの長い足でテーブルの下から押し出されてもうたやつ。



"やから片付けろってー"って、
勝手に散らかした癖にブツブツ言いながら、
おれのピアスボックスを漁る。


"いやいやオマエが散らかしてんねん"って心ん中でツッコミながらギターを弾くおれ。


からの、冒頭の会話。



その指につままれた"利子"は、ゴールドの小さな輪っかのピアス。




「…っ、、」





君と、いた証。





・




・




・






…ホンマに好き、やった。







『えー、ほんと？笑』




「ほんまほんまっ！嘘や思うんやったらおーくらに聞いて？」


大「俺巻き込まんでくれるー？笑」



「やって見たやろ！顔面貴金属だらけ！しかも女の子！！」



『すごいねー、私、顔は無理だなー。』


大「こんな店におるくせにぃ？」



『ただのバイトですぅー。』




ﾊﾞﾀﾝ
『あっ、お帰りなさいっ』





「、お疲れ様ですっ。」

大「すばるくん、こんにちはー。」




渋「、おう。来とったんか。」



「結局買ったん？」


渋「おん、来週お迎え。新しいの来たら今のお前にやるわ。」ﾁｬﾘﾁｬﾘ…


「えっ、ホンマ！？」



渋「そんなんで嘘言わんわ。笑」


渋「A、飲みもん買うてこい。」ｼﾞｬﾗｯ



『うん、』




大「あざーす！」
「いつもすんませんっ、」



渋「いや、相手してもろて。ありがとな。」



「…、、」









ー始めての、本気の恋。








ーーそれが たとえ、憧れの人のモノでも。

Got lost, boy?→

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