�� ページ18
｢…なあ、なんで俺なんかに興味があった？｣
たくさん話した。
でもこれは、聞いたことなかった。
今更気がついたことだが、こんな人気者と俺が並んでいることが不思議だ。
きっとそれは俺だけではなくて、周りも思っていることだろう。
唐突に話題を出せば、少し驚いた顔をするが、彼女は考えてくれた。
｢単純に、洗脳って個性がかっこいいなって思ったから、ですかね｣
すとん、と落ちた。
また、彼女の単純かつ優しい性格に、心を打たれた感覚がした。
彼女は慣れないことを口にするせいか、どこか顔を赤くして焦っていたが。
｢ほら、他人を動かせるって素敵じゃないですか？
それにすごく珍しい個性なので、体育祭のときのいず…緑谷くんとの試合、私は見入ってしまいました｣
気持ち悪い言い方かな、と頬を掻く彼女が。
どこか嬉しそうに話すから。
自分も心が暖かくなった。
こんな感情は初めてだ。無謀なことだとは思うが。
｢あ、そういえば今日帰り掃除当番があるので、よかったら教室の前で待っててくれますか？｣
｢ああ。｣
一緒に飯を食って、一緒に帰る。
そんな時間が幸せだ。
.
.
.
言われた通り、ヒーロー科の教室の前で待っていた。
中からは明るい声が聞こえ、相変わらず五月蝿い集団だな、と思い直した。
教室を覗けば、ヒーロー科の奴ら。
そんな中で、他の奴と楽しそうに話すAの姿が目に入った。
いや、彼女に友達が多いのは知っていたが、見るのは何だか苦しかった。
｢あ！心操くん！来てくれたんですね！｣
こっちに気付いて走り寄ってきてくれるA。
荷物落とすぞ、と言いたいが、慌てて走ってくるため声は届かない。
そんな彼女を、クラスメートは呼び止めた。
｢Aちゃん、帰るの？｣
｢うん！掃除付き合ってくれてありがとう、出久｣
下の名前で呼んでる。
敬語が外れてる。
自分がヒーロー科に来なかったせいもあるが、彼女のことを何も知らなかったのだな、と改めて思い知らされる。
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タナタ(プロフ) - 文章の書き方がとても素敵です！良ければ、ホークス書いて欲しいです！これからよ応援しています！ (2月25日 22時) (
レス) id: 4118c67c05 (このIDを非表示/違反報告)
Syara(プロフ) - 滅茶苦茶面白かったです…!!荼毘くんが最推しなのですが他のキャラクター達も読んでみたところ魅力がたくさん…推しが増えてしまいそうです… (2023年2月2日 22時) (レス) id: ebcd0fa8e6 (このIDを非表示/違反報告)
累 - 鉄哲君の物語の甘酸っぱさに1人悶えておりました！とても良い物語ありがとうございました！ (2021年8月16日 9時) (レス) id: 1eb84dbd89 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 短編もステキです(*´ω｀*)かっちゃん姉弟夢…切ないけどツボです！幸せになってほしい(切実) (2019年2月21日 4時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
アネモネ - 面白いです!リクエストなのですが、飯田君とオールマイトをお願いします! (2018年8月28日 18時) (レス) id: 23dcbd0823 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：八尋 | 作成日時：2017年5月27日 17時
