二十六 ページ26
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動機はAの想像通りだった。
「最近まで婚約者がいたんです。でも彼は浮気をして…。
凄く可愛くて、女である私が見ても素敵だなと思える人でした。
彼に理由を聞いたら、『君は確かにいい人だけど、容姿が』
本当に愚かな人だと思いました」
そう言う彼女の顔はやつれていて、肌の調子も悪い。
就ていた仕事は激務だったらしく、不健康なことが顔にしっかりと表れていた。
また、婚約者だった男が最終的に選んだのは、激務の女と会えない間に通っていたクラブの女だったらしい。
被害者にホステスが多かったのにも頷けた。
「結局顔なんだって思うと馬鹿馬鹿しくなって…」
「共犯の男は」
「弟です。
私達の婚約を自分のことのように喜んでくれて、彼を凄く慕っていました。
それもあって協力してくれたんです」
毎回ターゲットを決め、用意周到に近くの二十四時間営業の店にその男はアルバイトをし被害者の動向を確認する。
一人になったところを見、二人で襲うという流れだった。
「まさか、あのお姉さん達が真選組の方だったなんて」
先程まで申し訳なさそうにしていた態度も、少しだけ薄れている。
騙しやがった、とでもいいたい顔だ。
(結局人間そう考えは変わらないものだな)
大体の話を聞き終わり、部下達に勾留するよう顎を突き出した。
部屋を出ると、同じタイミングで隣の部屋から出てくる女。
どうやら取り調べを見ていたらしい。
「お疲れ様でした」
少し悲しそうな顔で笑った。
「大丈夫だったのか」
「はい。異常なしでした」
たわいもない話をしながら、並んで歩く。
ふと、引っかかっていたことを思い出し、女に問う。
「何故、斬らなかった」
首に痣ができるほどだ。
かなり相手から暴行を受けているに違いない。
現場の状況を聞くに、Aは鞘がついたままの小刀で応対したらしい。
「あの時は、まだ犯人と決まったわけじゃありませんから」
女は眉を下げてそう言う。
土方にはその考え方に理解が追いついていなかった。
もしかしたら自分がやられるかもしれないという状況で、刀を出さないことはあり得ない。
「馬鹿だろ、お前。情けをかけてどうすんだ。甘ぇよ」
「あの人の正義が人は見た目だけじゃない、というように、私は無駄な殺生はしない、のが正義です。
ただ、互いの正義を押し付けただけですから」
Aは上司に反抗してしまった、と深く頭を下げた。
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Nattu(プロフ) - 早桃さん» 初めまして‼︎ｺﾒ嬉しいです〜ありがとうございます;;ゆったりまったり続けていきますのでお付き合いいただけたらと思います。最高と言っていただき凄く嬉しかったです;;; (2022年4月5日 23時) (
レス) id: 8022db4695 (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - 最高です、、、！本当に面白くて、土方さんとこれからの進展が楽しみです。いつまでも応援しています😌 (2022年4月2日 12時) (レス) @page30 id: 636f4996a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Nattu | 作成日時：2022年2月15日 22時
