二十壱 ページ21
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(面倒なことになった)
話を聞かされた時、まず初めにそう思った。
「土か…十四郎さん、は何食べますか？」
Aは辿々しく名前を呼ぶ。
目の前にはにこにこ微笑む店員。
微笑ましいとでも思っているのだろうか。
「俺は別に」
いらない、と言おうとした時、思い切り足を踏まれる。
Aは鋭い目でこちらを見ていた。
(合わせて下さいよ)
丸い瞳はそう言っている。
「…じゃあ、アイスコーヒーで」
店員は注文を受け、離れていく。
それと目で見送った後、Aは大きく溜息をついた。
「それで、何か進展はありましたか」
千影がしたであろう化粧や長髪の鬘をしていても、いつものAがそこにいた。
「お前こそ、少しは役になりきったらどうなんだ」
そう言うと手元にある手帳をしまう。
代わりに携帯電話を取り出した。
「これで不自然じゃないですよね？」
どういう形であれ、メモに残したいらしい。
つくづく真面目な部下だと感じた。
注意するのを諦めて、話を続ける。
「直近の事件だが、現場に女物のネックレスが落ちていたらしい」
「被害者の物ではなかったんですか」
「聞いて回ったんだがさっぱりだ。例の婚約者とやらに聞いたが、見たこともないらしい」
そう言い、証拠が写る画面をAに見せつける。
「なるほど…それで犯人の物の可能性が高いと」
「まだ確証はないがな」
ちょうどよくコーヒーが届いて、二人で口にする。
苦味が口に広がる。
Aは少し考えた後、
「私もまだ仮説に過ぎませんが、犯人は女性です。それは主犯が女性か、です」
「何故そう言える」
土方に携帯電話を返して口を開く。
「そのネックレス、確か最近出たばかりの女性向けジュエリーの新作なんです。それも記念日や婚約を目的としていたはずです」
「それじゃ、被害者って可能性もあるだろ」
「顔です」
女はまっすぐとこちらを見ていた。
「顔をあんなになるまで壊す時間があるなら、私だったら逃げるか貴金属を盗みます。もし、男なら性的なことをしていたかもしれません。
でも、被害者達から盗まれた物はなく、顔以外は何も痕跡はありませんでした。
犯人は、最初から被害者の美しさへの嫉妬が動機だった…考えすぎでしょうか」
そう言って眉を下げ、頭を下げる。
「いや…いい想像力だと思うぜ」
新人とはいえ、意外にも筋の通った考えに口角を上げた。
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Nattu(プロフ) - 早桃さん» 初めまして‼︎ｺﾒ嬉しいです〜ありがとうございます;;ゆったりまったり続けていきますのでお付き合いいただけたらと思います。最高と言っていただき凄く嬉しかったです;;; (2022年4月5日 23時) (
レス) id: 8022db4695 (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - 最高です、、、！本当に面白くて、土方さんとこれからの進展が楽しみです。いつまでも応援しています😌 (2022年4月2日 12時) (レス) @page30 id: 636f4996a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Nattu | 作成日時：2022年2月15日 22時
