第三話 ページ4
「そんな都合のいい存在がこの学校にいるのか?」
私は不可解にそう聞いた
水無瀬は朗らかな笑顔を浮かべ言った
「はい。庶民の間では有名ですよ?名前は赤坂
「ほぉ……」
そんな奴がいたとは……
成る程、勝算はかなり高い
それにそんな強者を放置しておけばいずれ反乱を起こしているグループに引き入れられかねん
その前に手中におさめなくては
「よし、水無瀬!その庶民を此方へ呼べ。因みにどんな奴なんだ?」
「えーっと……庶民リスト何ページだったかな……」
水無瀬は庶民全員の写真が記された分厚めのメモ帳を懐から取り出すとパラパラめくり、メモ帳にびっしり張り付けられている写真を見せてきた
「ありました!この男です!」
「こいつは……」
そこに写っていたのは朝方見かけた君の悪い庶民だった
ーーーーー
数分後、執務室のドアがノックされた
「西園寺様!水無瀬です、件の男を連れて参りました!」
「入室を許可する。」
許可すると水無瀬と縛り上げられた一であろう男が入ってきた
縛り上げられているにも関わらず気怠げな男にまた首を傾げた
縛り上げられてるんだぞ?
普通動揺の一つや二つ見せる物だが……
まぁそんな事はいい
それ位異質でなくては今後が面白くない
「よく来たな。赤坂一で間違いないな?」
「はぁ……まぁ……そうですけど。」
ボケーッとした一は視線を私から逸らした
何だ、顔にでないだけで動揺してるのか
「宜しい。初めまして、愚かな庶民である貴様でも流石に知っているだろうが敢えて名乗ろう。私の名は西園寺潮。学園を取り仕切る役割を任せられている貴族だ。」
一瞬一は目を見開いたがすぐにまた気怠げな表情になる
内心ビビっているに違いない
私は心の中でクツクツ笑いながら一に歩み寄る
「本日より、貴様を私の助手に迎え入れようと思う。今まで如何なる庶民も、貴族ですら手にいれる事の出来なかった栄誉ある役職だ。光栄に思え?」
変わらず一はボケーッとしている
流石におかしいと私は一に問いかけた
「……おーい?起きてるのか?」
「まぁ……あー……宜しくお願いします。」
一はそう言って頭をかいた
……ん?
「え、は!?お前縄は!?」
「ほどきましたけど。自力で。」
いつの間にやら一は己を縛っていた縄を解いていた
「水無瀬!ちゃんと縛ったのか!?」
「西園寺様もご覧になっていたでしょう!?ちゃんと縛ってましたよ!」
混乱する私達を前に一は欠伸をしていた
な、何者なんだこの男!
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作者名:闇鍋ソース&ナイフ x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mesemoaLOVE/
作成日時:2019年8月18日 20時