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寝てから何時間が経っただろうか。
体の感覚ではもう2、3時間ほど寝てしまっていた気がする。
そしてすぐ隣を見ると、なぜか近藤さんと土方さんが揃って座っていた。
二人とも寝てるけどいつか起きそうだな…。
そしてその予感は的中した。
「おぉ…Aちゃん起きたか。体調はどうだ?」
「だいぶ楽になりました。」
「それはよかった!!」
「……。」
「…お腹すいただろ!俺がとってきてやる!」
いや何から何まで悪いです、と言葉を繋げたかったのだが、それを言う前に近藤さんは席を立って行ってしまった。
そしてそのタイミングで土方さんも起き上がる。
若干気まずい空気を漂わせられるが、
なんとか話題を見つけようと努力する。
すると、土方さんが先に口を開いた。
「今日は本当に悪かったな。将軍のお付きなんかさせちまって」
「いえいえ。ついてきたのは私ですので。」
「明日は帰れるから、もう体調は崩すなよ」
「はい。」
ホテルの窓から当たる風は少し冷たかった。
「Aちゃん!待ってきたよぉ〜」
近藤さんがニコニコしながら、食事を持ってきた。
なんかいいことでもあったのかな。
…近藤さんのいいことってなんだろう。
「あ、ありがとうございます。…近藤さん達はもう食べたんですか?」
「あぁ、俺らのはここに置いてあるから。あんたが食ってから食うよ」
「そんな…、い、一緒に食べましょうよ」
「…Aちゃんが言うならしょうがないな!!」
「全く…。」
ご飯に目をやると、うなぎが入っている。
私は思わず、目を輝かせた。
うなぎなんて、何年ぶりだろう。
箸をとって、そのままうなぎにかぶりついた。
おいしすぎる。
勝手に採れたてを想像してしまうくらいおいしい。
「Aちゃんってそんなにおいしそうに食べるんだな」
「…そんな驚かれるほど私って仏頂面ですか…?」
「仏頂面ってか…、あんた山崎以外興味ないもんな」
「そ、そんなことは……。」
図星を突かれて何も言えない私であった。
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作者名:サラダ | 作成日時:2024年1月15日 13時