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「すいません、かき氷2つ。1つは少し急ぎでお願いします。」
「はいよ。」
海で、食べ物を買うのは初めてだ。
室内もまさに海の家って感じだな。
将軍様と相席に座って、「お水を注いできます」と私は言った。
水を注いでいると、ちょこんと座っている将軍様が少し可愛いな、と思った。
こんなこと思ったら絶対切腹だけど。
「お待たせしました。」
「………。」
無意識によだれが出てきそうだ。
かき氷の氷はこれほどまでに輝いていて、
そのままでもついかぶりつきたくなるような神々しさだった。
本当にそのまま食べようとする、将軍様を見た。
私は急いで止めた。
「将軍様、そのままで食べるのではありません。
ここにシロップというものが並んでます。それをここに…こんな風にかけるんです。」
「な、なるほど…、」
あたふたしてる将軍様可愛いな。
いや浮気とかじゃないけど、こんなに何も知らない将軍様も見てて面白い。
…私、誤解してたかも。
将軍様ってちょっと近寄りがたいオーラ放ってるし、
怖い人なのかな、って思ってた。
こんなに面白い将軍だったなんて。
なんて、思っていたら「ふふ」と口に出てしまっていた。
「どうかしたか?」
「は…!い、いえ!なんでもないです」
「そうか、……うまいな。これはなんという味なのだ?」
「今かけたのはいちご味ですね。庶民からも大変人気ですよ」
「そうなのか!!そよにも教えてならねばな。」
「そよ…?」
「あぁ、妹のことだ。」
そっか、将軍様って妹いたんだっけ。
妹を大切に思ってるなんて、兄としてあるべき姿すぎる。
「では、捜索を続行するとしよう。」
「ですね。」
海の家を出て、また私達は歩き出す。
それにしてもほんとにどこにいるんだ?
多分将軍様がいなくて探しに行ったんだと思うけど。
…てか全然山崎さんを補給できてねぇ。
なんのためについてきたと思っているんだ。
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作者名:サラダ | 作成日時:2024年1月15日 13時