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「相手を1番に考えてくれる、優しいし気遣いもできる、
もちろんかっこいいし、可愛い。でも地味じゃない。時にずるくて、…素直にごめんって伝えてくれる。
声がよくて、器が大きくて。めちゃくちゃシャイだけど攻める時は攻めてきてドキドキしたりして、」
「も、もういいですよ…。」
聞き飽きた、と言わんばかりの顔。
篠原さん、今隙だらけ。
私は篠原さんの頬にデコピンをした。
「…えっ?」
「ね?あなたが山崎さんを奪うのは難しいよ」
隊士達は「おー…」と口に出す。
山崎さんなんか、顔がりんごみたいに真っ赤だ。
それに釣られて私も顔が熱くなりそうだ。
いやほんとに私ってカッコつかないな。
篠原さんは「はぁ」とため息をついた。
そして、
「…私の負けです。佐藤先輩ってずるいですね。
なんで竹刀でトドメをささないんです?」
「私って…、やっぱりお人よしみたい。」
「自分で言いますかね」
すると外野から歓声が上がった。
注目されるのには、ほんとに慣れなくて、
驚いてしまう。
「お前すげぇな!!」とか「ゆめちゃんは結構強いほうなんだぜ!一本取るなんてすげぇよ!」とすごい、の大盛況だった。
どっちかと言うと、愛で勝ったって感じなんですけどね。
だけど、「すごい」という言葉が私をある意味攻撃させる。…多分今顔真っ赤。
「まぁ剣で勝ったっていうより山崎の愛で勝ったって感じですねィ。ほらー、傑作だぜィ」
と言いながら、顔を必死で隠す山崎さんを引っ張り出す。
「や、山崎さん…?」
「アンタすごいよ…、」
「アンタ」と初めて言われて、少し動揺するが
顔がもう真っ赤になのに、より一層赤くなりそうでやっぱり山崎さんには敵わない。
すると篠原さんは衝撃的なことを口にする。
「まぁ、私が本当に好きな相手は沖田くんなので
山崎さんは目に入ってなかったんですけどね」
「……ええぇぇ!?」
「悔しかったんですよー、沖田くんが佐藤先輩にしか振り向いてくれないのが〜」
「ぷくー」とほっぺを膨らませる。
そのために山崎さんを利用したと…??
よし、こいつ斬るか。
…でも、女の考えてることって本当に末恐ろしいわ。
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作者名:サラダ | 作成日時:2024年1月15日 13時