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「あっ佐藤先輩っ!!もう〜、30分遅刻ですよ!」
「……ごめんね。」
笑顔でそう返す。
私は本当に何も対策をしていない。
正直、かなり焦ってる。
心臓もバクバクいってるし。
「始めっ!」
掛け声と共に篠原さんは私のところへ、
竹刀をもっていった。
自慢の反射神経で受け止めれたものの、かなり力が強くて動けない。
本当にただの女隊士じゃないことが分かる。
…誰から鍛え上げられたんだろう。
もし山崎さんだったら?
そんなことを考えていると、私の止めていた力は弱くなる。
「あ、…っぶな。」
「佐藤先輩は反射神経がいいようですね」
「……。」
「じゃあこれは、かわせますか!!」
違う。攻撃すると見せかけて、
相手に隙を見せるつもりだ。
篠原さんは最初の一手で私を攻撃しない。
そこまで読めていたはずなのに。
身体が重くなり、若干よろめき始める。
「佐藤先輩、諦めたらどうですか?
剣術もまともに習ってないようなあなたが勝てるはずない」
「……諦めは悪い方なんでね。」
私も負けていない。
今度は私が攻撃を仕掛けにいく。
これまで出したことないような力で篠原さんを攻撃する。
だが、それも難なく受け止められる。
「…へぇ。素人のわりにはちゃんと受け身を知っているんですね」
「テメェ、何調子こいたことぬかしてんでィ。
まだまだ素人だろうが」
「…沖田くんは本当に佐藤先輩のこと好きですね!」
沖田さんは一瞬、焦ったような表情を見せる。
いつものフェイスに戻ったと思ったら、
土方さんに八つ当たりだ。
「よそ見しちゃダメですよ!!」
勢いよく竹刀を振ってくる。
さすがに体がもたなくなってきた。
もうダメだ、と思ったとき。
山崎さんが私に向かって「がんばれー!!」と叫んだ。
私の心は一瞬で山崎さん色に染まった。
「…篠原さん。あなたは山崎さんのいいところを何個言える?」
「…え、?そ、そりゃあ、かっこいいところ……
地味だけど可愛いところ…。」
「それだけ??」
「さ、佐藤先輩は言えるんですか!」
「余裕。」
満面の笑みでそう言って、深呼吸をする。
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作者名:サラダ | 作成日時:2024年1月15日 13時