＿＿浴衣と花火 7 ページ33
・
o side
華やかに夜空に咲く、花火。
河川敷にふたり。
触れられる距離まで、あと少し。
じわじわと、手を手繰り寄せ
花火を見上げる彼の横顔に近づいた。
「ねぇ、」
綺麗な横顔が、瞬時にこちらに向いた。
「どうしたの？」
形のいい唇が、そう紡ぐ。
まん丸な目が俺だけを映して、
少し不安げに揺れる瞳さえ、綺麗で見惚れてしまう。
「好き、って儚いよね。」
「… そうだね。」
「でも、ずっと消えない好きもあってさ。」
「… うん。」
「大事なものが、掴めなくて、もどかしくて
伝えられない自分に腹が立つんだ。」
「ん。」
喉につっかえている言葉が、出てきそうで
伝えていいものかと躊躇してしまう。
でも、今伝えないと、いつ伝えられるのか。
触れた手がどくんどくんと鼓動を伝せ
熱をもって、体は素直に彼を求めている。
「俺さ、翔くんが好きなんだよね。」
「… ぇ、」
「ずっと前から。」
「… うそ、」
なんて、綺麗なんだろう。
動揺に揺れるその瞳さえも、輝いて見えて
俺の目には翔くんしか映らなくなった。
「本当だよ、ずっと好きだった。」
重なる手が熱く、もう後には引けない。
「俺の恋人になってほしい。」
顔をさらに近づけて、彼に伝えた言葉は
嘘偽りのない、本能が求めるものだから。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 649人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もふ(プロフ) - さくらさん» あってます！＿＿彼の匂いはさくらさんのリクエストを元に書いたお話です。喜んでいただけて、とても嬉しいです。甘いふたりが好きなもので、ついつい甘々になってしまいました。笑 素敵な感想をくださり、ありがとうございます(´｀*) (2020年11月9日 19時) (
レス) id: 7f28c40749 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - 続き）甘え下手な翔くんを包み込む智くん、かっこよすぎます。そして、智くんの匂いとさすってくれるぬくもりに癒されてる翔くん可愛すぎます。ありがとうございました！ (2020年11月6日 23時) (レス) id: 9c153c18d3 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - 勘違いでしたらすみません！あの抽象的なお願いがこんな素敵なお話になるなんて！終始どきどきニヤニヤしながら読んでしまいました←変態ですみません。笑 (2020年11月6日 23時) (レス) id: 9c153c18d3 (このIDを非表示/違反報告)
もふ(プロフ) - 和音さん» ありがとうございます。長らくお待たせしてしまい、すみません。同じキャンプのふたりのリクエストをいただいたので、そちらで執筆いたしました。短いものではありますが、ご期待に添えられたら嬉しいです。リクエストに感謝いたします。 (2020年11月1日 23時) (レス) id: 7f28c40749 (このIDを非表示/違反報告)
もふ(プロフ) - MARIEさん» ありがとうございます。長らくお待たせしてしまい、すみません。キャンプのふたりで書かせていただきました。短いものではありますが、ご期待に添えられたら嬉しいです。リクエストに感謝いたします。 (2020年11月1日 23時) (レス) id: 7f28c40749 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もふ
| 作成日時：2020年2月14日 18時
