惚れた ページ10
エレンside
A分隊長、いや、A副班長?
A副兵士長?
とにかく、Aさんが俺の首に腕を回している。
リヴァイ兵長の目が怖い。
でも、顔が赤くなるのは止めようがない。
俺、彼氏がいる人好きになっちゃった。
「エーレーンー!聞いてるの?」
俺はAさんに頬をつつかれて我に帰った。
俺が振り返ると、Aさんが頬を膨らませていた。
普通に可愛い。
天使だ!
いやいや、この人には兵長がいるんだ。
「すいません。聞いてませんでした。何か用でしたか?」
Aさんはしょうがないというふうに笑った。
Aさん、いつも笑ってればいいのに。
「私が言ったのはアドバイス!エレン、もうちょっとアンカーを刺す位置を近くした方がいいと思うよ?その方がうまく飛べると思うし」
なんだ、アドバイスか。
って、俺は一体何を期待していたんだ?
「はい!ありがとうございます!」
俺が言うとAさんは笑い出した。
え、俺、なんか変だったかな…
「エレンって、真面目だね!なんか可愛い」
俺はさらに顔が熱くなるのを感じた。
可愛いよりかっこいいの方が嬉しいけど、なんか悪い気持ちではない。
「エレン、大丈夫?顔、真っ赤だよ?熱あるんじゃない?」
そう言ってAさんは少し背伸びして俺の額と額をくっつけた。
顔が近い!
近い!
その時、急にAさんが離れた。
離したのは本人の意思ではなく、リヴァイ兵長に引き剥がされたらしい。
「A、あまりエレンに近づくな」
兵長はそれだけ言ってどこかへ行ってしまった。
Aさんは首を傾げてこちらを見た。
「なんでだろ?まぁいいや。訓練、再開しよ?みんなに死んでほしくないし。まぁリヴァイは大丈夫だよね。何と言っても人類最強の兵士長様だから」
Aさんは訓練を再開した。
薬を飲まされているけど、スパルタなのに変わりはなかった。
でもいつもよりは優しい気がした。
俺はそんなAさんにますます惚れ込むばかりだった。
でも、薬の効果が切れたらどうだろう?
Aさんは警戒心が異常に強いらしく、信用した相手以外にはかなり冷たい。
口調も違うし。
これが薬のせいで優しくなっているだけで、本当は警戒心を解いてくれていなかったら?
なんだか寂しい。
でも俺はAさんを好きじゃなくなることはできない。
たとえリヴァイ兵長の彼女だったとしても。
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作者名:カシオペア | 作成日時:2017年8月24日 15時