身長 ページ30
リヴァイside
俺はため息を吐いた。
隣にいたエルヴィンがこちらを見る。
「どうした?ため息なんて吐いて。待て、当ててやろう。Aに会っていないからだろう?」
エルヴィンは薄笑いを浮かべている。
気持ちの悪いやつだ。
「だったら何が悪い?」
俺が言ったその時、クソメガネが駆けて来た。
なんだ?
「リヴァイ!Aを連れてきたよ!ここに連れて来ようとしたんだけど、暴れ足りないって立体機動で飛び回ってるよ」
なぜ俺に言わなかったのか謎だが、今はそんなことはどうでもいい。
俺は訓練場の方に向かった。
そこでは俺の班の班員が訓練しているはずだが、そいつらは全員なにかを見上げている。
すごい勢いで飛び回る何か。
Aだ。
「おい!A!降りて来い!」
俺が呼びかけると、Aは回転をかけながら降りて来た。
こいつ、スカート履いて飛び回ってたのか。
まぁ今はいい。
Aはこっちに走って来た。
そして俺に飛びつくように抱きついてきた。
俺はなんとか抱きとめた。
「会えなくて、寂しかった」
Aがそう呟いたのが聞こえた。
俺はAを一度離してキスをした。
Aの背後の方から息を飲む音が聞こえたが、気にしない。
離れた頃にはお互い若干息が上がっていた。
「やっぱりお熱いねぇ」
背後からクソメガネのそんな声が聞こえたが、無視した。
Aは皆を振り返って、薄く笑った。
皆は頭を下げた。
Aは不思議そうにしている。
もう忘れたのか?
「お前は女王だろ?」
俺がそう言うと、やっと気付いたようで、皆の頭を上げさせた。
そして俺の方を向いた。
「背、比べよ?」
Aはニヤッと笑って言った。
平らなところに行って靴を脱いで、背中合わせになった。
「同じだな」
エルヴィンが言った。
まさか。
1センチの差が!
背骨を治したのは悪くなかったはずだが、背を抜かれるのは、正直言っていい気分ではない。
「リヴァイには言ってないんだけどね、背骨が曲がってなかったら170センチは軽くいってたってずっと前に言われたの。もしかしたら今でも間に合うかもね」
170を軽く超えるだと?
俺の方が目線が下じゃねぇか。
Aは勝ち誇ったような笑みを浮かべている。
ムカつくといえばムカつくが、まぁAだから許そう。
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作者名:カシオペア | 作成日時:2017年9月16日 8時