俺だけ？ ページ34
リヴァイside
腹立たしい。
俺が怒っている理由を分かってない。
不思議そうな顔してやがる。
「私、何かした？」
予想通りだ。
あの状況でよく言えるな。
「分からねぇか？おい、お前ら、どっか行ってろ」
俺はとりあえずエレンとミカサを追い払った。
Aはまだ不思議そうだ。
「エレンに押し倒されたような体勢で、お前はなぜ顔を赤くしていた？」
Aはやっと納得したようだった。
「恥ずかしかっただけだよ。別に変な意味はないから」
Aは俺に掴まれていない左手を振った。
薬指には結婚指輪がある。
「私が愛すのは、一生リヴァイだけだから」
Aはそう言って笑った。
俺だけか？
俺だけがこんなに嫉妬してるのか？
Aは俺の顔を覗き込んでいる。
そして小さく笑った。
「嫉妬がどうのって考えてるでしょ？私だって、嫉妬ぐらいするからね。私がいない間に、ほかの女に何かされてないかな？とかさ」
Aにはお見通しだったようだ。
俺の不安も。
俺、今すごくカッコ悪くないか？
俺は思わず後ろを向いた。
途端に自由になったAが背後から抱きついてきた。
「私、どんなリヴァイでも好きだよ？」
耳元で囁かれたその言葉は、俺の理性を壊すのには十分すぎた。
俺が思わず押し倒そうとしたその時、誰かに肩を叩かれた。
振り返ると、エルヴィンだった。
「君たち、こんなところにいたのか。ハンジがAに実験を見せたいとうるさいから、早く着てくれ。リヴァイもだ」
そう言って奴は去って行った。
なんだよ、ぶち壊しやがって。
「行こう。ハンジが誰かに危害を与えないうちに」
Aはそう言って歩いて行った。
俺は慌てて後を追った。
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作者名：カシオペア | 作成日時：2017年9月16日 8時
