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「……ほんとに、カッコよかったよ」
なんでか分かんないけど悔しくて。
もう一度力を込めて、櫻井くんをまっすぐ見てそう言った。
きゅるっとこっちを向いた瞳がパチッと瞬きをする。
そして、口元が緩んだら、ちょっと照れ臭そうに「……ありがと」と返ってきた。
「……、うん」
きゅ、急に私も恥ずかしくなってきた。
カッコよかったよ、なんて、よくよく考えれば、なんてこと言っちゃったの、私。
顔が熱い。
翔「お前ら……何見てんだよ」
櫻井くんの声にハッと顔を向けると、櫻井くんの横からニヤニヤした顔を覗かせる二人が見えた。
もしかして、聞かれてた……？
茉奈「もうやり取りが初々しすぎる〜」
倉岡「櫻井、顔緩んでんぞ」
翔「っ、うっせぇよ！」
茉奈「Aちゃんも顔赤くなっちゃってるし、可愛いなぁ」
「……っ、」
翔「立木！」
櫻井くんがピシッと言うと、立木さんが肩をすくめる。
茉奈「怒られちゃった」
いたずらが見つかった子供みたいに笑う立木さんの姿に、私は恥ずかしいのにどこか面白くて楽しくて。
ついふふっと笑ってしまったら、そんな私を見た櫻井くんもニコッと微笑んだ。
.
茉奈「着いたー！海だー！」
倉岡「やっぱ人すげぇな」
翔「やばいね」
ようやくたどり着いた海。
少しベタついた潮風と、砂浜に溢れ返る人々に、やっぱり自分がここにいることを不思議に思う。
眩しい太陽に目を細めながら、私は海を見つめた。
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作者名：さくらこ | 作成日時：2019年6月23日 17時
