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サギソウ ページ15

床に背を向け倒れる北山に対して重力に従い、そのままは顔を床に向けて倒れこむ藤ヶ谷。藤ヶ谷の顔が倒れた北山の顔に近づく。

唇が重なる。その瞬間扉が勢いよく閉まり、バタンっという音だけが鳴り響く。北山は状況が理解出来ず唇が重なりながら固まる。

そのキスは柔らかいものでは無く。藤ヶ谷の体重がかかっており、強く長く。キスが続く。酔いながらもこの状況を理解した北山は思いっきり藤ヶ谷を突き飛ばす。

その後自分の唇を袖で拭いながら後ずさりをする。その北山の表情は目にぐるぐるが見えるほど泳いでいて、りんごのように赤くなっていた。

突き飛ばされた藤ヶ谷は一瞬宙に浮く。だが再び床に向かって倒れこむ。そこにはもう北山はおらず、クッションが無くなった状態で床に顔を強打する。

その衝撃で目覚める藤ヶ谷は痛みで涙を溜めながら起き上がる。目の前にはまだ顔を赤くした北山は肩で息をする。

そんな北山を見て藤ヶ谷はこの状況が理解できず、けれど元々北山と距離を詰めるためにここに戻って来たので、この状況がおいしいと思った藤ヶ谷は北山に近づく。

急に起き上がったのに顔をにやけてながら近づいて来る藤ヶ谷に驚き、次は肩を震え出した北山。これからどうされるか考えてしまったのだろう。

けれど藤ヶ谷から発せられた言葉に北山の酔いは一気に覚めた。

  F「……お前何で顔赤くしてんの?それと俺をここまで送ってくれたのか?それならお礼に泊まっていかね?」

何も知らない目と何をしようとするのか分からないが泊めさせようと藤ヶ谷。さっきあったことを知らないと知った北山は代わりに恥ずかしさに襲われた。

「何故自分だけ、こんな混乱して焦っているんだ」と恥ずかしい気持ちを誤魔化すように怒りに染まった北山は、その何も知らない唇の近くの頬に一発入れる。

  F「いっっつたっ!?」

  K「ふざけんな!!」

一発入れた後荒々しく立ち上がり藤ヶ谷の隣を通り過ぎて出て行った。頬にさっき顔面を強打したよりも痛みが走った所に手を添えながら、彼の頭の上には?マークが浮かんでいた。

その後次は藤ヶ谷が固まっていた。だが何だか失敗したような後悔で我に返った藤ヶ谷は軽くシャワーを浴びて、すぐ布団に潜るがなかなか眠れずにいた。

さっきの頬はまだズキズキと音を立てるほど痛かった。

その夜、藤ヶ谷は久しぶりに夢を見た。その夢はとても不思議な夢で、内容は遠くにいる北山をひたすら息を荒げながら追いかける夢だった。

目を覚めるといい太陽の光が差し込むがとても夢心地は悪かった。

二章完結→←カエデ



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作者名:supia | 作成日時:2021年9月23日 1時

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