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サンビタリア ページ2

そんな日常が続くと思ったメンバーだった。だが藤ヶ谷はあることで頭を悩ませていた。仕事には支障は無いが明らかに表情が暗かったのだ。番組のMCの人にも指摘されるほどのその暗さをメンバーは不安に駆られていた。


番組が終盤に入っていっきに空気の重みは取れて終了した。メンバーはすぐさま藤ヶ谷の元に駆け寄ろうとした。けれどその前をずかずかと歩いたメンバーの一人を見てみんな動きを止める。それは北山だった。

一番仕事熱心の彼はそんな藤ヶ谷を見て怒りを露にしていた。眉に皺を寄せている北山を見てメンバーは「怒られるんだな」と思った。そんなメンバーをほっとくかのようにまだ席に着いている藤ヶ谷に近づく。

  K「……お前、どうした?体調でも悪い?」

その声は思った以上に優しい物だった。スタッフもいる中だから、あまり怒れないと察した。だが眉の皺は緩むことは決してなかったのだ。そんな北山をほったらかしに顔を上げた藤ヶ谷は彼と同じに眉をひそめた。

  F「嫌、別に何ともないけど……お前こそ体調悪いんじゃないの、」

  K「……あ?」

あまりの回答にメンバーは驚いた。この番組を通して体調が悪そうだったのは藤ヶ谷の方だったからだ。もちろん北山の眉はもっと深く下がっていった。

  K「……そんな訳ねぇだろ。俺はお前の態度にイラついてんだけど」

  F「なんでだよ、心配してんのに。お前こそ無理して笑ってなかった?」

  K「……!?」

北山は藤ヶ谷の言葉を図星をつかれたように少し目が揺らぐ。そんな様子を物音一つ立てずに見守っていたメンバーも驚いていた。だが藤ヶ谷が言っていることは正しいと思うでき事を思い出して納得する。

  2「確かに。最近みつ元気なくない?」

  K「え?そ、そうかな」

  M「うんうん。いつも一番に食べ終わるお弁 当も遅かったしねー」
 
  T「みつなんかあった?大丈夫?」

怒ろうとした北山は形勢逆転に合い、戸惑いを見せた。彼はいつもよりひきつった笑顔に変わり。

  K「大丈夫大丈夫。みんなの気のせいだよ」

「あははー」と言いながらひらひらと手を振る北山。メンバーは「そうかなー?」と少し不安げの顔をしていた。だがその中の1人の藤ヶ谷は鋭いの目で北山の事を見つめていた。




  F「……体調は治ったの?」
 
二人っきりの楽屋でしんと静まり返る空気をぶった切るように口を開く藤ヶ谷。
 

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作者名:supia | 作成日時:2021年9月23日 1時

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