女王蜂に蜂蜜【山口忠】

10.美男・美女 ページ10

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Aside


「でさー、Aちゃん、最近読者からの人気凄いし…
都内に引っ越すってどうかな？」


Cherryの編集長の高島さんが、そう言った。
編集長は、30代半ばの美人キャリアウーマンで
頼れる女性だ。


「でも…学校あるし…」


「都内の学校に編入して、一人暮らしすればいいじゃない。
宮城から都内に通うのも大変でしょ。
今は土日で撮影してるけど…いろんなページに出るってなったら平日も撮影入るよ。
基本的に平日は、高校生は放課後に撮影するけど
こっちからじゃ移動時間かかって無理だから…
今日、時間あるなら親御さんにも私から話すし」


最初に読モを始めた時は、軽い気持ちだった。
人気が出るのも、沢山雑誌に載れるのも…嬉しいけど。


「そう言えばAちゃんて彼氏いるんだっけ？それじゃ悩むよね」


忠と離れるなんて…絶対イヤだ。
それでなくても、全然一緒に遊べてないのに。


「今度、読モの恋愛特集があるんだけど、
それに彼氏くん一緒に出れたりしない？」


「え！」


それはちょっと嬉しい…けど
忠にモデル？？絶対ムリだ…
絶対顔引きつってマトモな顔もポーズも作れない…。


「うーん…私の彼氏はちょっと…」


そう言いかけたとき


「あれ、A！」


そこへ忠と月島が偶然通りかかった。
部活終わったのかな。


「え！？もしかして、彼氏？」


「あ、ハイ…」


高島さんは立ち上がった。


「カッコイイじゃない！！やっぱ美人の彼氏はイケメンだよね！
ねぇ、彼氏くん今度うちの雑誌にAちゃんと一緒に出て欲しいんだけど！」


興奮気味の高島さんに私はつっこんだ。


「あの。そっちのノッポメガネは私の彼氏じゃないです。
冗談でもイヤなんでやめてください」

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