美しく残酷な、【リヴァイ】 (ページ1)

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約束の指切りページ1

『リヴァイさん』

幾つも重ねられた紙を前に考え込んでいた時、聞き慣れた声が自分の名前を呼び顔を上げる。

そこには黒髪を垂らした女…Aが居て、手には湯気が立っているカップを手にしている。

『紅茶です。淹れたてですよ』

ふと疲れた、と考えていた時だったからあまりにもタイミングが良すぎてエスパーなのかと疑うも目の前のあほ面を見てすぐその考えは消えた。

「そこら辺に置いとけ」

『えー、リヴァイさん、私が心を込めて淹れた紅茶をほっとくんですか？あったかい内に飲んでくださいよ』

「チッ…めんどくせぇ」

わかりやすく不機嫌な顔になり俺を上目に睨んでくるものだからこのまま飲まないでいると埒が明かないと思い指でカップの淵を挟んだ。

ゆっくりと紅茶を啜る。いつも通り、俺好みの味だった。

『そう言いながら飲んでくれるリヴァイさんが好きだよ』

「…」

『リヴァイさんは私のこと好き？』

「いい加減その手には乗らねぇぞ」

手にしたカップを傾けながら答える。

好きだと目を見て答えてやるのもAの反応が面白そうだから言ってやろうかと迷ったが、結局己の羞恥心が勝り言うのをやめた。