さまいちが子育てする話

７話 ページ8

side一郎


すごい音が一馬の部屋から聞こえてきてドアを開けたら、左馬刻が一馬の首を絞めていた。


「おい！左馬刻！」

無理矢理、左馬刻を一馬から離す。

「一馬、大丈夫か？」

「.......。」

一馬は何も言わなかった。

「なにがあったか二人とも教えてくれないか？左馬刻、一馬。」

二人に問いかけたが返事はなく、にらみあったままだ。

「ちょっと出てくる。」

「はぁ？おい！」

慌てて左馬刻を追いかけるが、

「ついてくるんじゃねぇ。」

と、言われ、追いかけるのを止めた。

「....一馬、何があったか教えてくれるか？パパ、どっか行っちゃったからさ。」

「.....あのね....」

最初はだんまりしていたが、一馬は少しずつ話してくれた。

「.....そっか。話してくれてありがとうな。」

「....ごめんなさい。」

今にも泣きそうな顔で謝る。

「謝るのはママにじゃないだろ。パパに謝らないといけないだろ。
左馬刻、探して来るから、少し待ってろ。」

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