ねえさんが四人 ページ8
＿「ん……っ。 わ、ねえさ……っ」
「……」
思わず声が出てしまった。 一旦落ち着こう。
目が覚めたはいいが、腕の中にはねえさんが寝てる。 さすがに狭いが、ねえさんの無防備な顔を見るのも悪くない。
距離の近さは多少気になるも、こんなチャンス中々ない。
気にするだけナンセンスだ。
そう言えば昨日、ねえさんが布団の上で麦茶をこぼしてしまったことを思い出す。
そうだ、だから一緒に寝ることになったんだ。
『……三郎、ごめん。 私……ソファで……寝る……』
あそこまで落ち込んだねえさんも中々のレアだし、手も繋げたし、昨日はすっごく有意義な一日だったと思う。
ねえさんの結婚はなんとかして止めてみせる。
そしたら、テストで満点を取った時のように、いっぱい褒めてくれるだろうか。
「ねえさん」
昔は僕がねえさんの腕の中にいたのに、今じゃ逆なんだ。
ねえさん、これでも僕のこと、男として見れない？
手を繋いだとき気づいた、ねえさんとの明確な性別の差。
感じて、嬉しくなって、でも寂しくなった。
それは、僕だけ？
ねえさんは中々起きないので、もう少し楽しめそうだ。
ぎゅっと抱き締めてみる。
ねえさんの髪が腕に当たってくすぐったい。
「う、ん……？ さぶろー……？」
「っ！？」
起きた、かも。
思わずその場で寝たフリをし、腕の力は緩めない。
ねえさんの声は眠たげで、今にも溶けてしまいそうだ。
「まだ、ねてる……？」
距離が近い。
ねえさんは僕の胸元にぐいぐいと額を押し付けている。 ちょっとしんどい。
甘い匂いが鼻腔をくすぐる。 流れるような艶やかな黒髪は、寝癖で少しうねりを孕んでいる。
「さぶろー……」
溶けそうな声が僅かに震える。
一瞬だけ、指と指が絡み合う、所謂『恋人繋ぎ』になって……、きゅうっと指を挟められる。
心臓がうるさいくらいバクバク鳴ってて、絶対ねえさんにバレてる。
「……よしっ」
するり、と手が逃げだし、強くしていた腕からも抜け出す。
前から思っていたが、ねえさんは猫らしいところがあるのかもしれない。
「私、頑張るから……」
柔らかな手つきで頭を撫でられる。
ねえさんはベッドの端の方に座っているようだ。
こっそり薄目を空けると、ねえさんは日光に照らされて、キラキラと輝いていた。
あまりにも綺麗で、びっくりする。
「三郎、起きてるでしょー？」
「……おはようございます」
「ん、おはよー」
やっぱり、ねえさんには適わない。
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おりはるこん（改名）(プロフ) - ミーさん» コメ返し遅れて申し訳ないです！最近やることが多いので更新事態の優先順位が低くなってるのがすごく悔しくて…。終わりは決まってるので着いてきていただけると嬉しいです！ (2018年11月29日 20時) (
レス) id: ea4c86eaca (このIDを非表示/違反報告)
ミー(プロフ) - 最近読み始めたので、更新とても嬉しいです…!これからも頑張ってください！ (2018年11月9日 20時) (携帯から) (レス) id: 750b1e0df3 (このIDを非表示/違反報告)
おりはるこん（改名）(プロフ) - ぬぬぬさん» ここだと文字数が足りないのでボードかメッセージに移行してもよろしいでしょうか？私の考察は250文字以上になってしまいそうなので…(汗) (2018年9月15日 18時) (レス) id: ea4c86eaca (このIDを非表示/違反報告)
ぬぬぬ(プロフ) - ペンは剣よりヒプノシスマイクってどういう意味だと思いますか？？？調べても全然分からなくて… (2018年9月15日 17時) (レス) id: 62aeac2e51 (このIDを非表示/違反報告)
おりはるこん（改名）(プロフ) - ぬぬぬさん» わかりみが深い…！久々にヒプマイを誰かと語れてスッキリしました！ぽっせもわかります！ヒプマイ沼は深いですね…！ (2018年9月15日 17時) (レス) id: ea4c86eaca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おりはるこん(元鈴音)
| 作者ホームページ：なし
作成日時：2018年8月26日 8時
