オネーさんがじゅーさんにん ページ17
_「ねーちゃん、腹減ってないか? 昼、何にする?」
「ちょうどお昼時だもんね! ボク、いいお店知ってるよ! 一緒に食べよ?」
一郎がわかりやすーく、嫌そうな顔をする。
それに対してAはぱぁぁっと花を綻ばせたような笑顔を浮かべた。
「あ、でもお店……」
「いいのいいの! ボクを好きなオネーさんは、ボクの服も好きだから、いなくてもだいじょーぶ♡ それよりぃ、ボクAとデートしたいなっ」
むぎゅっと抱きつくと、Aは慣れたようにふふっと、笑った。
一郎の方からは「なっ!?」という焦り声。
リアクションがいちいち面白い。
「乱数! あんまりねーちゃと……」
「えー、なにー? 一郎もハグしたいの?」
一郎は恥ずかしがり屋だから、こんな街中でハグできるとは思えない。
こういうのは、ボクの愛され容姿の特権だ。
「うぅ……、ねーちゃん……」
「うん、後でね」
しゅん、と項垂れる一郎はまるで怒られた大型犬のよう。
いつもの威勢の良さはなく、兄である彼が弟に見える。
その気持ちを組んでのことか、Aがヨシヨシと頭を撫でて上げると、気持ちよさそうに目を細めた。 犬だ。
その様子がおかしくて笑っていると、急に後ろから話しかけられる。
「あれ、Aさんじゃないですか」
「っ!?」
Aの表情が強ばる。
なんか、顔だけは寂雷に似てる……?
でも髪が全然違う、茶髪だ。
「神宮寺さん……」
「こいつが……」
「Aさん、この人たちは?」
ピシッとしたスーツを着こなし、その手首にはたっかそうな腕時計。
左手薬指にはキラリと光る指輪。
明らかに見下した態度でボクとAの腕をぐいっと離す。
小声で「飴村、乱数……?」とボクの名前を呼んだ。
ガン無視で睨み返してやるが、その視線はAに移る。
「おや、Aさん。 指輪は?」
「あ、えと……失くしては、申し訳ないので」
「代わりはいくらでも用意致します、『こういう輩』への牽制にもなるのでつけなさい」
Aの左手首を握り自分の目線まで持ち上げる。
こういう輩、と言った時、明らかにボクらのことを一瞥した。
すっごい、嫌い、こいつ。
「あの、何してるんですか?」
男の手首を握る他の手が現れる。
そこには、満面の笑みの三郎がいた。
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おりはるこん(改名)(プロフ) - ミーさん» コメ返し遅れて申し訳ないです!最近やることが多いので更新事態の優先順位が低くなってるのがすごく悔しくて…。終わりは決まってるので着いてきていただけると嬉しいです! (2018年11月29日 20時) (レス) id: ea4c86eaca (このIDを非表示/違反報告)
ミー(プロフ) - 最近読み始めたので、更新とても嬉しいです…!これからも頑張ってください! (2018年11月9日 20時) (携帯から) (レス) id: 750b1e0df3 (このIDを非表示/違反報告)
おりはるこん(改名)(プロフ) - ぬぬぬさん» ここだと文字数が足りないのでボードかメッセージに移行してもよろしいでしょうか?私の考察は250文字以上になってしまいそうなので…(汗) (2018年9月15日 18時) (レス) id: ea4c86eaca (このIDを非表示/違反報告)
ぬぬぬ(プロフ) - ペンは剣よりヒプノシスマイクってどういう意味だと思いますか???調べても全然分からなくて… (2018年9月15日 17時) (レス) id: 62aeac2e51 (このIDを非表示/違反報告)
おりはるこん(改名)(プロフ) - ぬぬぬさん» わかりみが深い…!久々にヒプマイを誰かと語れてスッキリしました!ぽっせもわかります!ヒプマイ沼は深いですね…! (2018年9月15日 17時) (レス) id: ea4c86eaca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おりはるこん(元鈴音) | 作者ホームページ:なし
作成日時:2018年8月26日 8時