12 不意打ちってきゅんとする ページ12
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「ヘイ、パス!」
キュッキュ、という体育館の床とシューズの擦れる音の中で、合図の掛け声が響く。
先日、理恵にバスケ部の見学来て、と言われ早速来てみたのが今日。
レモンのハチミツ漬けを少し多めにつくって、さらにスポドリを差し入れとして持っていく。
「___わ、」
体育館を軽く覗いてみると、1人の男子がシュートを決める。
ブレのない、見惚れる程綺麗なフォームのスリーポイントシュートをまじかに見て、息を飲む。
______かっこいい。
心にふっその一言が落ちてきて、ストンと収まる。ボーッとそのまま見ていた私に気がついて、理恵がこちらに来てくれた。
「佑月〜!来てくれたんだ、嬉しい!」
「おつかれ〜、はいこれ差し入れ。」
「え、ありがとう〜!皆喜ぶよ!」
「ううん全然、そんな大したことないから。」
少し喋って、体育館の階段を上った小さな観客スペースで15分ほど見学させて貰った。たまに、理恵がこちらを向いて手を振ってくれたり、バスケ部の先輩が差し入れのお礼を言いに来てくれたり。
聞いていた噂とは全く異なって、とても素敵な部活だった。
帰り際、もう一度ドア付近で少し理恵と喋っていた。
「危ない!」
その言葉と共に、ボールが飛んできて思わず目を閉じる。でもボールの衝撃はなく、あるのは何かに守られてる感覚。なんか、軽く抱きしめられているような。
顔をあげると、目の前にあったのはスリーポイントシュートを決めていた男の先輩の顔。
「ごめん、大丈夫やった?」
「あ、はい!私は何とも!」
「そっかぁ、よかった。女の子に怪我させたら大変やからなぁ。」
イケメンな彼にボールから守ってもらって、きゅんきゅんしていると、去って行った先輩の後ろで理恵が私に話しかけた。
「あれが、前言ってたイケメンの先輩だよ!月崎志麻先輩!」
「へぇ〜、すっごいイケメンだった。」
「でしょ!さっきのとか凄いかっこよかった〜。」
左目の下のほくろが特徴的な爽やか系イケメン。でも、ほくろが色気を出しているような気がして、大人っぽかった。
「じゃあ、私はもう帰るけど練習頑張ってね。」
「うんありがとう。また見に来てね〜。」
最後にそう話して、体育館を後にした。
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あるじゃん(プロフ) - あいさん» あいさんご無沙汰いたしております。暖かいコメントありがとうございます、嬉しい限りです泣 長らくお待たせいたしましたが、今後ともよろしくお願いいたします!更新頑張ります。 (2021年4月11日 13時) (レス) id: 2f7ed6fc05 (このIDを非表示/違反報告)
あい - おかえりなさい!!これからも更新頑張ってください! (2021年4月10日 18時) (レス) id: dad9695123 (このIDを非表示/違反報告)
みね - 更新、頑張って下さい!めっちゃ楽しみです!!! (2020年7月30日 23時) (レス) id: 2329b8e021 (このIDを非表示/違反報告)
白瀬(プロフ) - コメント失礼します…!!私が昔から読んでいた少女漫画と内容がそっくりで、めちゃくちゃ面白いです!更新頑張ってください! (2020年6月29日 7時) (レス) id: 29052aa6a9 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 本当ですか…?良かったです…文才足りんと悩んでいたので… (2020年5月13日 21時) (レス) id: b5c026bc9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あるじゃん | 作成日時:2019年11月25日 0時