ヤキモチ彼氏くんたちの話。2 ｰ短編集ｰ

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「誰？覚えてない」

男1「は…お前ナメてんのか？」

男2「こっち来い」

「は、触んな…っ」

男1「思い出させてやるよ」

「離せ…っ」








めんどくさいと思って携帯に目を移した瞬間を
狙われて、男二人で私の両腕を掴んだ


バタバタ暴れるも
さすがに男二人の力には、全然敵わない
ヤバい…私マジでやられるかも
そう思ったとき
こういうとこ、本当にずるいんだよな









慎「あ、ごめんね。その子、俺のなんだ」








慎はいつもそう
一緒に悪いことしてても
私が悪いようにならないように
いつも、助けてくれてた

なんか、私をいつも見てんのかって
思うくらいに
タイミングの良いときに現れるんだ








男2「うわ、っ…コイツ長谷川じゃね？」


男1「は？関係ねぇ、黙れよ」


慎「お前が黙れよ」









響く慎の重くて低い声にビクッと身体が
強ばり、何も言い返せない男二人
慎がだんだんと近付いてくるのが分かるのは
私の腕を掴むこの二人の手が、震えてる

そんな男の一人に、顔をグッと近付けて
口元だけニヤけながら低い声で言った








慎「ねぇ、それ以上そいつに手出したら、お前らどうなるか…分かんないよ」


男1「っ…くそ」







ギロっと睨まれる鋭い目つきは
中途半端な奴には耐えられない
男二人は私の腕を掴む手の力も弱まって
パタパタと走って逃げていった

強い力で掴まれていた腕を
擦りながら俯いた
また…助けられた

慎は、途端に優しい顔になって
ニコッと私に微笑んで歩き出した









「ちょっと…勝手なことすんなっつの、私の問題だから」








すると、振り返って
俯いて呟く私の手を引っ張り
グイッと顔を近付けて真っ直ぐ見つめた







慎「本当うるさい、お前は黙って俺に守られとけばいーの。」


「はぁ？」


慎「後…、」








私の抵抗する腕をいとも簡単に
引き寄せると、もう片手で両頬を
ぷにゅっと掴まれ口がタコみたいになった私を
目を細めて見つめた







慎「その口の利き方直せ。…可愛いの台無し」


「か、かわ…っ！？」







慣れない言葉に、ぶわっと顔が赤くなると
彼はふっと、微笑みを零して
私と手を繋いだまま、ズンズン歩き出した









「待っ…、どこ行くんだよ」


慎「俺ん家。色々教えたげなきゃ、でしょ。」


「教えるって…何を？」


慎「Aがちゃんと、女の子だってこと。」







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