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弐拾玖 ページ31

太宰Side

もう一度云おう。

太宰「否馬鹿は君だよ。」

中也「誰が馬鹿だよ!たく...A行くぞ。見たい生き物がいるんだろ?」

「イルカさん!後鮫さんも見たい!」

中也「じゃあ行くか。」

太宰「否待ってよ。一週間もポートマフィアが君を捜索してるんだよ?姐さんなんか特に。」

中也「なら伝えろ。暫くは帰らねえしもしかしたらポートマフィアを辞めるかもしれねえってな。」

太宰「はぁ?」

敦「ポートマフィアを辞めるって...」

鏡花「そんなの無理。例え辞めたとしても始末されるだけ。」

中也「だろうな。Aも巻き込まれるかもしれねえ。だから俺が辞めるかはフョードル次第だ。」

太宰「何だって?」

中也はAを抱き上げ私達に背を向けた。

中也「フョードルに伝えろ。俺ならAが外に出たい時は出してやれるし、行きたい場所にも連れて行ってやれる。遊んでもやれる。俺の方が兄貴に向いてるってな。」

中也はそう云うとその場から去り、私達は何故か追い掛ける事ができなかった。

敦「今のって....」

鏡花「フョードルって人が、あの子の兄としての振る舞いが出来ないなら、彼の人がポートマフィアを辞めてあの子の兄になるって事かも。」

太宰「彼処まで執着してるとはね...」






中也Side

中也「御免なA。邪魔が入っちまった。」

「ううん、大丈夫。今こうして中也お兄ちゃんと居れてるもん。」

俺に抱き上げられたままのAは俺に頬ずりした。

中也「嗚呼、そうだな。」

然し、此処迄Aに執着しちまったとはなたぁ....

まあ、あんだけ一緒に居たんだ。愛着も湧く。それにAの笑顔も好きだ。

Aが笑った顔はどんな女よりも綺麗だと感じる。太宰の云う通り、成長したら綺麗で魅力的な女性に絶対なるな。

となると、フョードルの妹には勿体ねえ...

中也「よし、鮫見に行くか。」

「うん!」



なあA


前に云ってくれたよな


"私のお兄ちゃんにならない?"


あの時は断っちまったけど、今はその質問にYESと答えられる。


"兄が二人居ても良いじゃん。"


いいや駄目だ


兄は俺だけで良いだろ?


俺ならAの願いを叶えてやれる


Aに寂しい思いをさせる彼奴とは違う


俺ならAの事を守ってやれる


Aを守れるのは俺だけだ


俺の方がAの兄に相応しいんだ

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

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作者名:迷ヰ猫 | 作成日時:2019年7月16日 1時

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