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4週間目 ページ28

(うわ、重)

『これのおかげで筋トレができるの』

(これ以上たくましくなんなくていいから)

『ぶっとばすよ?』





オンボロ家の、オンボロ扉を開ける。

いつもはすり抜けてたから、久しぶりに押す扉はかなり重く感じた。

鯨と別れて、Aを無理やり起こした。

誰がこんなとこまで運ぶかっつうの。









『ほら、蝉のナイフはここにずーっと。』

手を引いてベランダに行き、わざわざそれを見せてくる。





『....久しぶりに、触ったりしないの?』

(触ってほしいのかよ)

『べ、別にそんなんじゃないけど、....野蛮なことしないなら、触ってもいいよ。』


なんで上からなんだよ。







(....触んねえよ。)

『なんで』

(もう人殺しなんてしねえし、)

『しないの、?』

(してほしいのか)

『....別に。』




Aはベランダからドスドス音を立ててソファに戻った。

んだよ、ふてくされてんのかこいつは。

....めんどくせえ、これだからこいつと一緒に居るとめんどくせえ。







(おい、なんかあんのか)

俺も同じくドスドス音を立てる。


『なんも、ない』

嘘つけ。明らかにいつもとちげえじゃねえか。




(ほれ、早く言え)

『ひゃへへほ、いはい!』(やめてよ、いたい!)



頬をつねるとジタバタ暴れだした。




さっきからドスドスしたり、暴れたり、






(お前....馬だな)


『あんたは蝉でしょ。一週間で死んじゃう』








.







.







.








.









『.....どこ行ってたの。』



今度は、逆に俺がつねられる。






『一年間だよ、一週間の52倍だよ。.....わかってる?』



わかってる。



『その間、どこで何してたの....?』




お前のそばにいた。





『あたしは、蝉にシジミのお味噌汁を作るためにここにいたの。』





そういえば最初、そうやってお前を家に入れたっけ。





『.....何か、言うことないの__________?』




.





.









.









.









(....ごめん)


『そうじゃないじゃん!.....帰ってきたら、なんて言うのよっ』


怒ってるんだか、今のこいつは駄々っ子のようだった。









......でもそんなの、とっくに教わってる。









.









.









(....ただいま。)








これで、……合ってんのか。









.







.









『....おかえりなさい。』






それを聞いたのは、一年ぶりだった__________






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設定タグ: , 山田涼介 , グラスホッパー   
作品ジャンル:恋愛
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さくらんぼ - 良い作品でした。私も、グラスホッパー大好きです!蝉が亡霊となって登場するものもありだな〜と思いながら感動しながら読ませて頂きました。ありがとうございました。 (2018年11月4日 21時) (レス) id: f717513e5e (このIDを非表示/違反報告)
RIN - もう、涙が止まりません笑このサイトでこんなに泣いたことはありませんね。とっても素敵な作品でした。これからも応援してます。このお話たまに読みに来るかもしれないです笑 (2018年10月20日 23時) (レス) id: a3eb9dc6e0 (このIDを非表示/違反報告)
彩乃 - ティパ二さん» もう泣きぱなしでです (2018年10月7日 0時) (レス) id: 640833d8ad (このIDを非表示/違反報告)
ティパ二(プロフ) - motimotiayuu___さん» ありがとうございます!とても嬉しいです!! (2018年2月11日 20時) (レス) id: 1b206bf4f7 (このIDを非表示/違反報告)
motimotiayuu___(プロフ) - 大号泣でした! とても、感動しました! (2018年2月10日 14時) (レス) id: 36fb33f855 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ティパ二 | 作成日時:2015年12月28日 22時

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