Ｔｏｐａｚ＿2nd＿

もう一つの理由＿4 ページ26

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慧「おはよ〜……」

大「……はよ…」


俺は大体朝7時前後に降りてきて、温かい飲み物とテレビや新聞でゆっくりと頭を覚ましていく。

その間に寝起きが悪くて物静かな大貴が朝食の準備をし、涼介が起きてきて、侑李を起こし、皆揃っていだきますをするのが“理想的”な朝。

………俺より先に涼介が起きてることの方が多いんだけどね。


慧「……あれ、涼ちゃんまた寝坊？」

大「………」


が、今日は……昨日遅刻だと慌てていた時間になっても起きてこない。

大貴はまだ怒ってるみたいで涼介の話題になると無視。


俺も昨日のことで少し気まずいんですけど………行ってきますよ……


慧「……涼ちゃんの様子見てくるね」


賑やかが売りの我が家なんだけどなぁ……

険悪ムードはいつまで続くのやら。
外も雲が多くて家の中に日差しが入ってこず……暗いね……


ｺﾝｺﾝｯ…

慧「……涼ちゃん、起きてる？朝だよ〜」


反応がない。寝てるのかな…？

勝手に部屋に入ってくるなって怒られるかもしれないけど、仕方ない。

扉に手をかけて、いざ突入！……しようとしたら………


涼「……今日は休む、」


………涼介が起きた。

扉越しの声だし、可愛い寝顔が見れなくてちょっと残念。


……でも、今休むって？……


慧「具合悪いの？」

涼「………」

慧「涼ちゃん、部屋に入っても……」

涼「……寝てるから放っといて」


……分かるよ。

今の声は具合が悪いとき……のではない。


ということは、仮病を使ってまで学校をお休みしたいんだね！？


………具合が悪いときこそ学校に行きたがって。

兄弟喧嘩をしたなら、余計に早起きして顔を合わせないようする涼介が……


慧「ほんとに休む…？学校に連絡しちゃうよ？」

涼「………」


うちの子は揃いも揃って頑固で。
困っちゃうよね………誰に似たんだか。

期待するだけ無駄と言いますか……いくら待ってもこれ以上の返事はなさそうなので涼介は諦めて、侑李を起こしリビングへ戻る。

……と、大貴が鞄をもって玄関へ向かうところだった。


慧「あれ、もう行くの？いつもより早くない？」

大「……今日はそういう気分。行ってきます」

侑「んぅ…いってらっしゃぁぃ……」


大貴ったら家にいたくないの丸わかり。

侑李は寝起きで状況を理解していないから、俺の腕の中で目を擦りながら小さく手を振っていた。

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