Ｔｏｐａｚ (ページ9)

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山田家＿8 ページ9

慧side

まだ、叩かれたところが痛む。

そんな強くすることないのに、大貴に加減を教えるのを忘れたかもしれないな。

慧「涼ちゃん入ってもいい？」

物音のしない部屋が気になって……そう声をかけノックした。

涼「なんの用……？」

慧「嫌ならいいんだよ。ただ、今日は涼ちゃんの顔あまり見れてないなぁ～って寂しくて………」

出てきてくれないかな……と、思った。

大貴に言われ過ぎて悄気てるのかもしれないから………二人ともプライドがあるし仕方ないんだけどね。

だけど…………諦めようとした、そのとき。

……………俯きながらも、涼介は出てきてくれた。

慧「…涼ちゃん………」

涼「………怒ってないの？俺、勝手なことばっかりしてるのに………」

慧「心配ではあるけど、可愛い息子のことを信じてるからね。だんだんと大きくなって自分の意志で行動するのを止めはしないよ」

大貴が悪いとも、涼介が悪いとも、言えないでしょ？

涼介も悪いことをしていると思っているからそう言うんだろうし……大貴を嫌いにはならないだろう。

仲のいい兄弟でいてくれて……嬉しい。

慧「お父さん的には急いで大人にならなくていいんだけどね？焦る必要はないし、お茶飲みながら見える速度じゃないと俺見逃しちゃうから」

………ふふっと緩んだ表情。

幼い頃の面影を残す笑顔はずっと変わらずそのままがいいなぁ……って。

侑李が眠そうだよ、と大貴の声がして下へお迎えにいこうとすると涼介が俺も行くと付いてきた。

………本当は涼介も少し寂しかったりしてたりしてね。

侑「んぅ…りょおすけ、だっこ」

目を擦る侑李の手を優しくどけて、抱き上げる。

………涼介も頼もしいお兄ちゃんだな。

少し前までは涼介が俺の腕の中にいて、その感覚を今も覚えているのに。

慧「おっきくなったなぁ…」

独り言のつもりが、ついボリュームを間違えてしまって。

大貴は涼介に、涼介は俺に、視線を向ける。

大「慧もおっさんになったな」

その一言に…………侑李を抱いてゆらゆらしていた涼介は肩を震わせて笑っていた。

涼「年なのは否めないよねー………子供三人も抱えてるし」

…………あはは………まあ、そうだよねぇ…

子供が大きくなるということは比例して自分も年を取っているわけで…

老けたのかなぁ？………皺だらけになるのは避けたいけど。

涼「先上行ってるよ。侑李寝かせてあげたいから」

俺は一度鏡を見てから、再び部屋に向かった。