Ｔｏｐａｚ (ページ44)

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寄り添って＿7 ページ44

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慧「ただいまー。涼ちゃん、一旦下ろすよ。よいしょっ」

靴を脱ぐために玄関先に下ろされる。

壁に寄りかかろうとしたところ、どたどた廊下を走ってきた大ちゃんにすぐに抱き上げられた。

大「涼介…！大丈夫か？！和室に布団敷いたからな」

慧「ちょっとー、俺のことは無視？」

大「あ、侑李はもう熱下がってご飯食べてるから慧もさっさと来いよ」

リビングには病み上がりではあるけど元気になってきた侑李が椅子に座ってお粥を食べていて。

俺の姿を見るなり寄ってきた侑李は暗い表情で謝ってくる。

侑「りょおすけ、ごめんなさい……ゆぅりのおかぜ、うつしちゃった……」

涼「…ちが、ょ……ゆーりが元気になって、よかった……」

大「そうそう、大丈夫だからご飯食べてきな？」

その場から動こうとしない侑李に大ちゃんと顔を見合わせていると……場違いなほど明るい慧くんが入ってきた。

慧「あれ～？あ、侑ちゃん発見」

侑「けぇくん」

うるうるして慧くんに抱きつく侑李。

せっかく回復へ向かってるのに、俺がこんなんだから……まともに看病も出来なかったし、予防はしたけど結局インフル貰うし……ダメだなぁ…ごめんね……

大「……涼介」

涼「……ん…？」

大「侑李のこと看ててくれて俺も慧も助かった。侑李も涼介がいたから心細くなかったってさ。ありがとう」

涼「っ……ｹﾎｹﾎｯ、ﾊｧ……でも……」

俺の心を全部見られてるみたいに、大ちゃんはそう言った。

体調のせいで簡単に涙腺が刺激されて、目頭が…熱い。

俺も家族の役に立ちたい……侑李にはお兄ちゃんらしくありたい……ずっと思っていることだから理想通りにいかなくて自分に腹が立つけど……

それでも大ちゃんは……

大「ありがとう」

涼「…っん、……」

かなり……その言葉に救われた。

俺の方こそ……

大ちゃん、ありがとう。

大「………さて、侑李にも言ってたように涼介もご飯食べないとな？」

涼「ぇ～……、ｺﾎｯｺﾎｯ……」

大「お兄ちゃんだろ？な、侑李」

侑「んぅ？」

慧「あ、大ちゃんが涼ちゃんいじめてる～」

侑「っ！りょおすけいじめるのだめっ」

ぺたぺた走ってきた侑李に叩かれる大ちゃん。

お気の毒……だけど、平和な我が家が戻ってきたって感じで、体は重いけど心は軽くなる。

俺も早くそっちに混ざりたいな……

大「いじめてないって！こら慧、余計なこと言って騒ぐな！涼介が休めないだろ！」

慧「てへ」