Ｔｏｐａｚ (ページ4)

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山田家＿3 ページ4

慧side

慧「はーい、侑ちゃん忘れ物がないか確認しましょ～ね」

テチテチやって来てはーいと良いお返事。

お着替えも自分で出来るようになって……俺の子天才。

かちゃかちゃ食器をシンクに浸ける大貴は最近ようやく台所に立つ姿が違和感無くなってきた。

大「さてと、そろそろ…」

慧「大ちゃんも一緒にいくかぁ！」

軽いノリで言ってみれば侑李はその気になって、いくー！とはしゃいだ。

大「え？慧、余計なこと言わない！」

慧「侑ちゃん、お兄ちゃん忙しいんだってー」

侑「えー…！」

大貴が侑李に申し訳なさそうにフォローするもしょんぼりしちゃってて可哀想……

大「慧のせいだからな」

慧「へへっ、ごめんね～侑李」

侑「おうちでいっぱいあそぶもん」

大「おう、帰ったら沢山遊ぼうな」

侑李が納得してくれて、大貴は俺たちより一足先に家を出た。

勤め先の会社が融通の利くところで、侑李と手を繋ぎ保育園へ送り届けてから出社する。

侑「ひまわり！」

慧「り？りー、り、り……リンボーダンス」

侑「なぁにそれ？」

この時間は本当に楽しい。癒しだ。

何かと聞かれたから踊りだよ、と適当に教えてあげると保育園で流行っているという謎の振り付けを披露されて。

それのまあ可愛らしさたるもの、将来この子はアイドルになるなと確信した。

慧「侑ちゃん、行ってらっしゃい」

侑「けぇくん、ばいばい！」

見えなくなるまで手を振りファンサービスを忘れない侑李。

俺だけじゃなく他のお母さんたちもメロメロにしてしまう。

…………直後。

会社からの着信が鳴り、現実に戻された。

……あ、………なんだよ、こんなときに…。

回りのお母さんたちに軽く会釈をして折り返すと書類を預かりに行ってほしいという内容。

慧「ほいほい、わかりやした」

『社会人らしい返事をしろ！』

電話の向こうの同僚が何か言ってたけど……聞いていなかったので気にしない。

お仕事モードに切り替えて、ゆっくり歩いて駅まで向かった。