Ｔｏｐａｚ (ページ20)

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ぼくのもの＿5 ページ20

慧side

慧「ふぁあ～……一休み……ん、侑ちゃん？」

騒いだり暴れたりはしないお利口な侑李のお陰で仕事は順調に進み。

会社にメールを送信したのでそろそろおやつの時間だし休憩だ！と体を伸ばす。

んー…………あれ？さっきまでそこで遊んでたのにいない。

部屋を探してみるとリビングから続く和室で、くまのぬいぐるみに抱きついて眠る侑李の姿が。

懐かしいなぁ……………涼介の部屋から持ってきたのかな。

くまのぬいぐるみは昔、俺が涼介に買ってあげたもの。
ずっと病院にいて………寂しそうだったから。

今は涼介の部屋のクローゼットの中に仕舞われていたはず。

慧「安心するのかな……」

そっとブランケットをかけてあげた。

涼介が帰ってくる前に起きちゃったらまた不機嫌だろうから。

涼「ただいま」

慧「おかえり～」

侑李が寝ているのを見ると、ふぅ…とソファに沈み込む涼介。

慧「朝は大変だったよ」

涼「やっぱり。…………侑李、寂しいのかな」

慧「…………」

まだ小さくて手をかけてあげるべき年齢の侑李。

俺たちに言わないだけで………母親がいないことで寂しさを感じたりしているだろう。

こればっかりはどうすることもできない問題。

慧「………俺の役不足のせいだよ。ごめんね、涼ちゃんに負担かけちゃって」

涼「何で謝るの……俺は侑李のお兄ちゃんだよ？当たり前のことをしてるだけ」

そう言って、和室の侑李の側に腰掛ける涼介はとても頼もしくなっていた。

………お母さんが亡くなってから、安定していた涼介の体調が急に悪化し、入院を余儀なくされたこともあったのに。

子供たちはこんな俺の元でも立派に成長しているんだな……と目を潤ませずにはいられなくて。

侑「………りょお、しゅけ……？」

涼「ただいま、侑李」

慧「お、侑ちゃんおはよう。大貴が帰ってくる前におやつのドーナツ食べちゃいな」

ばれないように後ろを向きながらおやつの準備をした。