Ｔｏｐａｚ (ページ42)

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寄り添って＿5 ページ42

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大「ただいまっ…！」

勢いよく玄関が開いたのは14時頃。

話に聞いていた時間よりも随分と早い帰宅で……少しほっとする自分がいた。

涼「おかえり、意外と早かったな」

大「涼介と侑李が寂しがってるからって帰ってきたんだよ」

涼「は、やめろよ。デマ流すの」

………と、言いつつも看病をする側に慣れない自分では力不足……侑李も大ちゃんが帰ってきてくれた方が安心するだろう。

大「で、侑李は？」

涼「ご飯食べてくれなくて……ゼリーを一口食べて寝てる」

大「そっか……涼介は？」

涼「俺？……が何？」

大「バカ、体調の話だよ。あと飯は食ったのか？」

大ちゃんの心配が自分にまで向いているとは思っていなくて聞き返したら馬鹿呼ばわり。

……だって今大変なのは侑李だから、俺のことはいいのに……

侑李のことだけ考えて心配してほしい……けど、普段の大ちゃんからしてそれは無理なのかも。

涼「体は普通だけど、侑李に付きっきりだったから食べてない」

大「おかしいと思ったらすぐ言えよ。……あとは俺が看とくから涼介は何か食べて休んでな」

そう言うと、二階へ上がっていった大ちゃん。

俺は……さっきまでお腹すいていたけど、侑李の辛そうな姿を見ていたら食欲もなくなっちゃったから。

侑李に付きっきりの大ちゃんに代わって溜まった家事を終わらせる。

再び侑李が起きたら大ちゃんがご飯を食べさせて……それも終わると二人きりで晩ご飯を食べた。

……慧くんは翌日のお昼頃に帰宅。

慧「ただいま～！」

涼「あ、おかえり」

これもまた聞いていた時間よりも随分と早い。

可愛くて元気な侑李が寝込んでるからみんな心配で……早く良くなるといいんだけど……

荷物を投げ捨ててあがってきた慧くんはそのまま俺に詰め寄ってきて。

慧「涼ちゃんは体調大丈夫なの？！」

………親子だ。

大ちゃんも慧くんも、今は侑李のことだけ心配しててよ！……申し訳ないじゃん…

涼「俺じゃなくて、侑李でしょ？」

慧「侑ちゃんは大ちゃんが看てる？」

涼「うん」

慧「そっか、昨日は侑ちゃんを看ててくれてありがとう。今日は涼ちゃんは休んでてね」

そう言うと、二階へ上がっていった慧くん。

つくづく、似た者親子だなと思った。

……あ、お昼。

二人は降りてこないだろうし、ご飯作らないと………

涼「…、ん………？」

立ち上がろうとしたら一瞬力が入らなくて……なんだろう、おかしいな………体が少しだけ、重い。