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2話 ページ2

A「お、お兄ちゃん、ごめんなさい、A、わるいことしちゃった?また、おこらせた…ごめんね」


おどおどと手を伸ばしてくるAを蹴り飛ばす

まだ小さいからだは柔らかくて、骨まで折れただろうか。


A「けほっ、けほっ…おにいちゃ、ご、ごめんなさ…」


Aのふわふわの髪の毛を掴み上げ、土のついた顔を見る。

無性に腹が立つ。
大きな目も桃色の頬も小さな唇も雪みたいに白くて綺麗な肌も。

小さくてすぐに泣くし、お兄ちゃん、お兄ちゃんって馬鹿のひとつ覚えみたいに。


寺主にも懐いていたが、こいつは俺の側から離れなかった。

寺においてくればよかった。なんでつれてきたりなんかしたんだ。


獪岳「お前はもういらねえ。ピーピー泣いてうるせえし、邪魔なんだよ。鬱陶しい。」


Aは涙をこらえようとしている。


A「ごめんなさい、もう泣かない!A、もう泣かないから…」


掴んだ髪ごと頭を数回壁に叩きつけてやった。

血が出てきて意識を失いそうなのがわかった。
このまま死なせてやろうか。


A「お、おにい…ちゃ…」



『お兄ちゃん、だいすきだよ…』



昨日の妹の言葉で手が止まる。

普段から嫌なことがあると妹にすぐ手をあげた。
鼻血がでてもたんこぶができても骨が折れてもAは俺の側を離れなかった。

いつもみたいにお兄ちゃん、お兄ちゃんって…


獪岳「チッ…」


Aの頭を地面に叩きつけて背を向け、歩き出そうとした時、泣き声が聞こえた。
紛れもない妹の泣き声。

A「おにいちゃん…おいてかないでよお…
言うこときくから…一人にしないで…ごめんなさい…」


声を押し殺して泣く妹にため息をついて駆け寄る。

Aは一生懸命涙を拭いて俺に向き直る。


A「どこも、いたくないよ!げんき!」


血だらけの顔で何言ってんだと思ったが、妹はふらふらと立ち上がって笑顔をつくった。


いつもAの懐に入れている手拭いで顔を拭いてやって頭に巻きつけて少し待ってろといった。


またグズりそうになったが、絶対にすぐ戻るから、と言って町に出た。


駄菓子屋で金平糖をくすね、何事もなかったように店を出て誰もいなさそうな家に忍び込み、井戸で水を汲んで柄杓の柄を折って水を入れ、Aの元へ戻った。

幸い誰にも見つかっておらず、Aは俺を見ると嬉しそうに笑った。

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pocky - 面白い!とっても素敵な作品ですね!! (2020年6月29日 22時) (レス) id: 67e63b3be0 (このIDを非表示/違反報告)
絵宙(えそら) - 読んでる時の感想→「え?え?なんで優しいお兄ちゃんの獪岳が私(夢主)殴ってるの!?作者さん嫌い…いや嘘だけどさ、本当は大好き!!でもどうしてこうなった?あ、最後の獪岳の言葉身に染みる」って感じでうるさかったです…素晴らしいですね(さっきの言葉どうした) (2020年3月23日 2時) (レス) id: 63faa5bcfc (このIDを非表示/違反報告)
実弥LOVE(プロフ) - 最後の獪岳の一言で私の涙腺が崩壊した。 (2020年2月24日 23時) (レス) id: 3871cda528 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶タピオカ2号(プロフ) - めっちゃ面白いえ、本当に面白いんだけど!( ゚ロ゚) (2020年2月20日 10時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 続きが見たいです!!! (2020年2月18日 12時) (レス) id: 35ab4fcffb (このIDを非表示/違反報告)

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作成日時:2020年2月16日 2時

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