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10~渉side~ ページ10

でも、今回はなんだ?



あのハゲじじぃ1回、雑用押し付けたくらいで、次もいけるだろうみたいな雰囲気醸し出しやがって。



また、帰るのが遅くなった。



来ないバスにすらイライラ。



そりゃあ、まだ時間じゃないから来ないのは当たり前だけど。



俺だって早く帰りたいんだよ。



本当は、太輔たちと約束してたのに。



太輔は優しいから、先生のこと助けてあげてって。



雑用は頼まれるし、太輔との約束は断らなきゃいけなくなるし。



何で俺がこんな目に…。



イライラがピークに達しそうなとき、やっとバスが見えた。



やっとか…そう思った時、視界の端から何やら小さな物体が見えた。



あ、あの子…また走ってる。



…確か、先月だったよな?



先月は、俺があの子の後ろを歩いてて。



そしたら、あの子いきなり転けて。



笑っちゃいけないと思ったけど、笑ってしまった。



まぁ、本人には気づかれなかったけど。



「もう嫌!!」



次はいきなり叫び出して。



…多分、俺が後ろにいること気づいてないんだろうな。



そう思ったのも束の間、いきなり俺の方に振り向いてきた。



俺は急いで、上がっていた口角を元に戻し、無表情で彼女を見つめた。

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作者名:みっ。 | 作成日時:2017年5月16日 0時

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