虹の色、君の色。～Wataru.Y～ (ページ42)

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おまけ①~渉side~ ページ42

「わっくん！！わっくん！！」

昼休み、聞き覚えのある声が、でかでかと教室の後ろドアから聞こえてきた。

呆れながら振り返れば、嬉しそうに走ってくるAが目に入った。

何かある度、こんな風に俺のところに飛んでくる。

それはまるで、うちで飼っている犬のよう。

おまけに、今日の髪型は二つ結びしてて、軽く巻いてるし。

本当に犬にしか見えない(笑)

「どうした？」

笑いを堪えながら、声をかければ、俺に満面の笑みを見せてきた。

「片手で卵を割れるようになりたいの！！」

「…は？」

「卵！！わっくんなら割れるでしょ？」

「いや…割れるけど…いきなりなに？」

こうも奇想天外なこと言われると、俺も困る。

横にいる太輔も笑ってるし。

「わっくんにお弁当作ってあげるの♡」

「それはやめて(笑)」

語尾にハートついてたけど、さすがにそれは勘弁して欲しい。

「何で！？」

「絶対美味しくないもん(笑)」

「ひどーい！！」

「前だって、悲惨で俺が手直ししたんだろ？」

「そうだけど！！」

この前、2人でお弁当作ってピクニックに行きたいっていうから、一緒にお弁当作ったんだけど…。

一緒に作り始めたはいいけど、Aは不器用すぎて何も出来なくて。

結局、俺が全部やるハメに。