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バスに乗りこんでからも、彼の方をチラチラと覗き見る。



…やっぱり、あの人だ。



あの人に間違いない。



ずっと、私が会いたかった人。



やっと会えた…。



会えたんだけど、名前も知らないし、声をかけるにかけられない。



しかも、でかい声で叫んだところ見られてるし。



今思い出すだけでも恥ずかしいよ…。



声…かけたいのに。



あの時言えなかったこと、ちゃんと言いたいのに。



『ピンポーン、次、止まります』



バスのアナウンスが、次の停止を知らせる。



しばらくすると、停留所につき、私の想い人はバスから降りていった。



ああっ…行っちゃう!!



…追いかけたい!!



…けど、そんなストーカ紛いなことはしたくない。



ただでさえ変な子だと思われてそうなのに、次は変態だと思われちゃう。



それは、何としてでも避けたい。



私は、後ろ髪を引かれる思いで、進んでいくバスに乗っていた。



明日も会えないかな…。



会いたいな…。



よし、決めた。



次会えたら、次に会えた時は、声をかけよう。



そして、名前を聞くんだ。


『私、廣田Aって言います!!…あなたのお名前は?』



『俺?俺は…』

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作者名:みっ。 | 作成日時:2017年5月16日 0時

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