逃げ出した少女、捜索中。【あんスタ】

ストーカーが近くにいると感覚麻痺する。 ページ16

「では、改めまして…

お久しぶりです、A。最近太りました？」

「早々に失礼だな。忙しくて痩せたわこの野郎。」

「そうですか。

で、戻ってくる気ありません？」

「ほんっと唐突だね。」

いきなり要件をぶっ込んでくる渉に、苦笑いを零しながらココアを飲む。

どうやら、最近私を学院に戻そうという運動が流行っているらしい。…夢ノ咲のアイドル科の奴らは暇なのか？

「皆さん待ってますよ〜、あなたの帰りを。
またBLACKBAROQUEとして、ステージに立つ日を。」

「そーですか。」

「あなた、また弟さんが産まれて生活が苦しいでしょう？」

「なぁ〜んで知ってるの？私のストーカーですかっての。」

「まぁ、私ですしねぇ…☆」

と、昔と変わらぬテンションで答える渉。あ、そういえば〜と思い出したかのようにスマホを弄り出す。

「生徒会、負けたんですよね〜」

「…誰に？」

「…Tricksterという、２年生のチームです。」

「あー…この子は知ってる。『ゆうくん』でしょ？」

「よくご存知で」

「せないずが写真見してくれた。」

「あぁ〜それは納得です。

まぁ、それでですね…あなたが望んでいた学院が出来上がってきたんです。」

「…そーですか。だから戻れと？」

「ええ。そうです。

ほら、こんなに可愛い１年生が入ってきたんですよ。」

「…それはずるい。」

可愛い子には弱いの知ってるくせに。

シリアスっていうかシリアル。→←予想は当たんないけど、予感は当たる。

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