カクテル ページ31
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玲於side
テル「うわー、辛気臭い顔。」
玲於「うるさいなぁ…」
いつもの席でぼんやりグラス眺めてたら、
テルさんにそう言って笑われた。
仕事終わり、何となくやってきてみたテルさんの店。
Aいないかな、なんて淡い期待を抱いてみたけど、
聞けば、来てないと言われて
その期待は無駄だったらしい。
玲於「はぁ……」
自然と出てくるため息。
なんだかなぁ……
なんで、あいつのこととなると
上手くいかないんだろうなぁ。
黙ったままそんなこと考えてる俺を、
カウンタ越しにニヤリとしながら見つめるテルさん。
玲於「…なに?」
テル「ずばり、Aちゃんのことでしょ?」
玲於「え、なんで……」
テルさんって、エスパー?
テルさんを凝視すると、俺がそんなこと思ったのを察したのか、
別に心読めるわけじゃないからね?って笑った。
テル「癖だよ、癖。」
玲於「癖?」
テル「そうやって、空になったグラス傾けながらぼんやりするの、決まってAちゃんのことで悩んでる時。」
玲於「えっ…」
テル「わかりやすいなぁ。笑」
困ったように笑いながら、俺のグラスを取り上げたテルさん。
何かと思えば、代わりにカクテルが入ったグラスを俺に差し出してきた。
玲於「いや、俺、今日はもう…」
テル「サービス。ノンアルだし、なんだか落ち着いた気分になるよ。」
テルさんに促されて、グラスに口をつけた。
口に広がるのは、
爽やかなんだけど、少しだけ甘くて、優しい感じ。
玲於「……確かに。なんか、安心する味だわ。」
テル「はは、でしょ?」
俺は続けてもう一口飲んだ。
気に入った?ってテルさんが聞くから、少しだけ頷いてみせて。
テル「………玲於、いいこと教えてあげようか。」
玲於「なんすか?」
テル「Aちゃんも、このカクテル飲んで玲於と同じ感想言ってたよ。」
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ど根性オレンジ(プロフ) - ってなって気づいたらもう終わり!?意外と長いようで短かったです。ワクワクとドキドキをありがとうございました!次作も楽しみにしてます! (2019年3月22日 19時) (レス) id: 20d845d7dd (このIDを非表示/違反報告)
ど根性オレンジ(プロフ) - ふぁぁぁぁぁ!なんか、もう、こう、最高。(語彙力)らな。さんのこのシリーズ好きすぎました!始まった頃から読み続けてきて、毎回玲於くんと主人公ちゃんの行動にこっちまで一喜一憂して、やっと幸せになったと思ったらまさかのライバル!? (2019年3月22日 19時) (レス) id: 20d845d7dd (このIDを非表示/違反報告)
らな。(プロフ) - mizuhoさん» mizuhoさん、ありがとうございます(*^^*) 今ストーリーをメモに貯めてるところです。楽しんでもらえるといいな…!(予想と違ってたらごめんなさい(>_<)) (2019年3月20日 21時) (レス) id: 3fd04ece2f (このIDを非表示/違反報告)
らな。(プロフ) - まいさん» 初めまして!(^^) そう言って頂けて、感謝感激です!笑 更新までしばしお待ちください(*^^*) (2019年3月20日 21時) (レス) id: 3fd04ece2f (このIDを非表示/違反報告)
らな。(プロフ) - しをちゃさん» お返事遅れました、(>_<;) 玲於くん、ちゃんと挽回してもらいました。笑 楽しめてもらえたでしょうか...! (2019年3月20日 21時) (レス) id: 3fd04ece2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らな。 | 作成日時:2019年2月13日 23時