好き。...嘘、大好き｡【2】[佐野玲於]

むず痒い ページ22

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Aside



楽しい時間はあっという間に過ぎて
そろそろお開きかなって頃。




由梨｢あ、そうそう。Aちゃん、はいこれ。｣


A｢なんですか？｣


由梨｢今日のお礼ってところかな。｣




由梨さんに渡された、封筒。

なんだか少し分厚くて、首をかしげながら中を確かめた。




A｢あ、写真…｣


由梨｢今日のベストショット、だって。｣




早くも現像された写真。


見てみれば、亜嵐さんと歩いてるところや、
玲於くんとおしゃべりしてる様子の写真とか、
数枚入ってた。



その中で




A｢あ……｣




なんとなく目に止まった、そのうちの1枚。


そこには玲於くんにクマのぬいぐるみを貰って喜んでいる私と、そんな私を優しい眼差しで見つめる玲於くんの姿が写し出されていて。


じっとその1枚を見つめる私が気になったらしく
由梨さんが私の手元を覗き込んでくる。




由梨｢あ、それ、いい絵だね？玲於もAちゃんも、すごくいい顔してる。｣




私、これ好きだなぁ
そう言って微笑む由梨さん。

私も、たぶん、1番これが好き。




……知らなかった。

玲於くん、こんな顔してたんだ。


…こんな、優しい顔。




いつもの玲於くんとは違う雰囲気がして、
なんだかむず痒い。


そのむず痒さを消し去るように
私は写真をひと撫でした。




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