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面白がっとるやろ? ページ8


 角名が目線でこの人?と問う。俺は黙って首肯した。

 俺たちが俺と朝原さんの机をくっつけて食事を取っていたので、朝原さんは机の中の荷物をとるために自分の椅子に座っていた銀に声をかけたらしい。

「ごめんね、本を置きっぱなしにしてて」

「ええよ、こっちこそ勝手に使ってごめんな」

「ううん、お構いなく」

 しゃがみこんで机の中を探る朝原さん。その頭部を、角名が遠慮のえの字もなくジロジロと見ている。
 文庫本を手に立ち上がった朝原さんがその視線に気がついて、じっと見返す。二人ともしばらくそのまま表情を変えずに見つめあっていた。

「初めまして、朝原です」

「……どうも、角名です」

 沈黙のあと先に口を開いたのは朝原さんの方で、角名は若干虚をつかれたようだった。無愛想に挨拶を返す。

「じゃあ。お邪魔しました」

 軽く会釈をして踵を返そうとする朝原さん。俺は慌てて、その制服の裾を掴んだ。

「ちょ、どこ行くん?」

「図書室だけど」

 俺も行く!とわけも分からないまま言葉が口をついて出る。その場にいた全員が鳩が豆鉄砲をくらったような顔になった。半数が分かりにくい反応ではあるが。

「……宮くん、本読む人だっけ?」

「読……みはせんけど、これから読むかもしれん!」

 こうなりゃヤケや。ちょっと待っとってな、食べ終わるからと猛然と残りをかきこむ。
 朝原さんが困ったように時計を一瞥して、それから静かに制止した。

「いいよ、急がないで。まだ時間はあるから」

 廊下で待ってるね、という言葉に頷いた。口に詰め込みすぎたせいで声が出せない。

「……いいの、逃げられるんじゃない?」

 口の中のものを嚥下して角名に言い返す。

「朝原さん真面目やから」

「ええ……めちゃくちゃ信頼してるじゃん……」

「確かに、いよいよ珍しいなあ」

 目を細める角名と、対照的に目を丸くする銀。俺がまた口の中をいっぱいにしていることをいいことに、二人は好き勝手言い始めた。

「朝原さん、圧が強いなあ。怒られるんかと思ったわ」

「なんかちょっと北さんに似てるよね」

「分かる。親戚なんとちゃう?」

「ありえる。……あ、侑食べ終わった?じゃあ行こうか」

 弁当箱をしまった俺を見て、角名が当然とでも言いたげに立ち上がる。は?

「もちろんついて行くよ、ね、銀」

「えっ!?いや、別にどっちでもええけど」

 図書室までの廊下がある意味珍道中になったのは言うまでもない。

少女漫画的シチュエーション→←朝原さんという人



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せなけいこ - この夢主ちゃんの性格も、少女漫画のヒロインな宮侑もめっちゃ好きです!この作品を生んでくれてありがとうございます。性癖に刺さりまくりです!! (2020年9月18日 15時) (レス) id: ef980343e4 (このIDを非表示/違反報告)
さかき(プロフ) - mimiさん» お返事が遅れてすみません!色々考えたのですが、本編はここで終わりにします。しかし私としても書きたいネタがまだたくさんあるので、そのうち別作品と纏めて短編集を出そうかと…。なので、気長に待ってくださると嬉しいです。 (2020年3月5日 1時) (レス) id: d263cbf7f6 (このIDを非表示/違反報告)
mimi(プロフ) - さかきさん» ただ私がこの主人公もミヤツムも好きなので続いて欲しいっていう我儘なのですが…( ; ; )もし続きを書こうか少しでも考えてらっしゃるならぜひ見たいです…! (2020年3月2日 3時) (レス) id: 4447061f23 (このIDを非表示/違反報告)
さかき(プロフ) - mimiさん» 初めまして、まず初めにご愛読ありがとうございます。ごめんなさい、話数の問題で断念したんですが、やっぱり終わりにしては歯切れが悪いですよね…!?もう少し何とかできないか検討してみます! (2020年3月2日 0時) (レス) id: d263cbf7f6 (このIDを非表示/違反報告)
mimi(プロフ) - はじめまして。こちらずっときゅんきゅんしながら読ませて頂いてました…!最後、終わりとなってますが完結なのでしょうか( ; ; )続きを楽しみにしてたので… (2020年3月1日 14時) (レス) id: 4447061f23 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さかき | 作成日時:2019年9月24日 23時

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