ガールズトークというやつ ページ3
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あー、と低い声が口から洩れる。
「明日提出のプリント、教室に忘れた」
あーそりゃ面倒だ、と角名がスマホをいじりながら言う。どうでもいいけどとりあえず相槌うっとこ、みたいな言い方だった。
徐々に人が増えてきた部室の中、乱暴に頭をかき混ぜる。めんどくさいし正直行きたくない、けど。
「侑、取りに行き。折角気づいたんやから」
先回りの正論パンチ。俺、まだ何も言うてないですよ。
北さんはいつも正しい。えーとか言いつつ、俺はおとなしく教室に戻る道をたどった。
普段、ショートホームルームが終わったとたんに教室を飛び出す俺にとって、放課後の廊下はまるで知らない場所のようだった。もうほとんどが部活に向かったんだろう、校舎の中は静かなのにグラウンドからは遠く喧騒が聞こえる。
「A〜」
「なあに」
教室の扉に手をかけて開けようとした瞬間、中から声が聞こえてきて思わず動作を停止する。
いつもなら躊躇もなく入っていくだろうが、手を扉から話してしまった。耳に飛び込んできたのが聞きなれない朝原さんの下の名前で、かつそれに応じる声が俺に対応するときよりも数倍柔らかかったからやな、きっと。
教室からかすかに聞こえてくる声は二つ。朝原さん、放課後に駄弁るような友達おったんやな、と失礼なことを考えた。
朝原さんよりも少し高いそれが語るのは、彼氏との惚気話らしい。俺ならげえと顔をしかめるが、朝原さんはごくごく落ち着いた様子で相槌を打っていた。時々ひそやかな笑い声も聞こえる。
しばらく様子をうかがうも、ほぼ一方的な会話に終焉は見えそうになかった。しゃあない、突撃するか。前述のとおり、俺はこういう時ニコニコと突っ切るタイプだ。
「Aは好きな人おらんの？ 全然そういう話せんやん」
「うん、いない」
「この人イケメンやな〜、みたいなんは？」
「それで言うと宮くんかなあ」
今度こそ完全停止。フリーズしたパソコン顔負けだ。
朝原さんは俺に全く興味がないはずだった。動揺したのか、気が付いたら部室に戻っていた。もちろん手の中にプリントはない。
落ち着け、治のことかもしれんやろ。そもそも同学年の中で、とかそういう縛りやなかったからどっかの芸能人かもしれんし。そんなことを考えつつ、口角が我ながら嫌な感じに上がっていた。
ふーん、そうなんか。へえ、いいこと聞いた。
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せなけいこ - この夢主ちゃんの性格も、少女漫画のヒロインな宮侑もめっちゃ好きです！この作品を生んでくれてありがとうございます。性癖に刺さりまくりです！！ (2020年9月18日 15時) (
レス) id: ef980343e4 (このIDを非表示/違反報告)
さかき(プロフ) - mimiさん» お返事が遅れてすみません！色々考えたのですが、本編はここで終わりにします。しかし私としても書きたいネタがまだたくさんあるので、そのうち別作品と纏めて短編集を出そうかと…。なので、気長に待ってくださると嬉しいです。 (2020年3月5日 1時) (レス) id: d263cbf7f6 (このIDを非表示/違反報告)
mimi(プロフ) - さかきさん» ただ私がこの主人公もミヤツムも好きなので続いて欲しいっていう我儘なのですが…（ ; ; ）もし続きを書こうか少しでも考えてらっしゃるならぜひ見たいです…！ (2020年3月2日 3時) (レス) id: 4447061f23 (このIDを非表示/違反報告)
さかき(プロフ) - mimiさん» 初めまして、まず初めにご愛読ありがとうございます。ごめんなさい、話数の問題で断念したんですが、やっぱり終わりにしては歯切れが悪いですよね…！？もう少し何とかできないか検討してみます！ (2020年3月2日 0時) (レス) id: d263cbf7f6 (このIDを非表示/違反報告)
mimi(プロフ) - はじめまして。こちらずっときゅんきゅんしながら読ませて頂いてました…！最後、終わりとなってますが完結なのでしょうか（ ; ; ）続きを楽しみにしてたので… (2020年3月1日 14時) (レス) id: 4447061f23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さかき | 作成日時：2019年9月24日 23時
