優しくあれ ページ49
「ふん、童如きが…」
荒川の主は扇子をあおいだ
「貴様達もこの川から出て行け。我の領地にいつまでも足を踏み込むな」
そう言いうと、どこかへ去って行った
…なるほど、私達が川で遊んでいることが気に入らなくて来たわけね
「それにしても、制服が全然乾く気配ないや…茨木童子?」
「……。」
背後で出来事を静観していた茨木童子に声をかけたが、黙ったままで私を見つめていた
何かを、見定めているような目だ
いつもだ、この鬼はなにを考えているのかわからない
すると口を開いた
「何故、君はあの雑兵に優しくした?」
「そしてどうしてこう私にも分け隔てもなく優しくするのだ?」
いや…と、茨木童子は続ける
「きっとあの雑兵や私にだけじゃなく、他の妖怪達にも君は優しくするだろう」
優しく、か
それは貴方もかわりないよ
「君は晴明や弓使いとは違い、妖に対抗できる力はない。人間は自分より強い存在を怖がり、時には排除しようとする。そうでなければ、自分の身が殺られるからだ」
…人間は、食物連鎖の頂点
食われることを知らない、自分より強い存在を消す
その通りだよ、茨木童子
でも、みんながみんなそういうわけじゃないんだ
「しかし…何故だ」
茨木童子は言葉を振り絞るように、口に出す
「君はなぜ、自分の命を狙いかねない妖に優しくするのだ」
そうだ、私は安倍晴明から気配を殺すお守りを貰った
もし、それがなければ…
荒川の主や金魚姫を私を殺したのかもしれない
「ねえ、茨木童子。一回でも私を殺そうと思った?」
「…は?」
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はぐはまさ - 麻乃さん» そう言って頂けて嬉しいです!ありがとうございます、頑張ります(*´∀`*) (2017年10月9日 18時) (レス) id: 1a4672ac58 (このIDを非表示/違反報告)
麻乃(プロフ) - はぐはまささん» はぐはまささんの書かれる茨木童子かっこいいです、もっと読みたいです(*´-`*) これからも応援してますヘ(*`∀´*)ノ (2017年10月9日 17時) (レス) id: 66c6973d83 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - 麻乃さん» ありがとうございます!!!( ´ ▽ ` ) (2017年10月9日 17時) (レス) id: 1a4672ac58 (このIDを非表示/違反報告)
麻乃(プロフ) - 更新お疲れ様です!(o´艸`) (2017年10月9日 13時) (レス) id: 66c6973d83 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - 召使い丁さん» いえいえ!逆に確率アップじゃない時に出るなんて、凄いですね(°_°) ありがとうございます!! (2017年9月12日 8時) (レス) id: 1a4672ac58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はぐはまさ | 作成日時:2017年4月30日 19時