涙なんかより、笑顔で ページ48
私は泣いている金魚姫に近付き、しゃがんだ
「あらー赤くなっちゃって…これは痛いわ」
荒川の主をちらりと見ると、びっくりしたのか目を逸らされた
どうやら加減を間違えてしまった…てことでいいのかな？
私はハンカチを取り出して川の水に浸け、金魚姫の赤くなった額に当てた
「ひくっ…ううっ…」
「泣かないの。女の子は笑ってる方が可愛いんだよ？」
よくよく見たら、金魚姫は態度は少しあれだが可愛らしい女の子だ
水色のショートは金魚姫の小さい顔にあってて、綺麗な瞳は純粋で透き通った黄色の目だ
「あたし…はっ、せかい…ヒクッ、一で…可愛いの！…グスッ」
なかなか泣き止まない金魚姫に、私は微笑した
「うん、金魚姫は可愛い。だけど泣き顔が似合う女の子はいないよ」
潤んだ瞳が、私を捉える
金魚姫は少し考えたあと、頷く
「うん…あたし、泣かない！」
そう言って涙を拭って、にっこり笑った
「お姉さん、名前は？」
「Aだよ」
とりあえず、泣き止んでくれてよかった
私は安心した
「Aさんね…、私の子分にしてあげる！」
…………。
「はい？」
ごめん、聞き間違えだよね
「だーかーら、優しいあたしがAさんを子分にしてあげるって言ってるの！」
ななななんで！？
安心した矢先にこれかっ…
「んー、子分にはなれないかな？だけど」
私は右手を差し出す
「友達には、なれるよ」
「ふーん…わかった！じゃあこれからは友達よ！時々、あたしの計画に参加して貰うからね？」
金魚姫は小さい手で私の右手を握った
計画？何のことだろう…ま、いっか
青い空が、天高く澄み渡っていてどこまでも続いていた
この小さい妖とも、ずっと友達でいたいな
私はそっと小さい手を握り返した
「見てなさい、荒川の主！いつかあんたを痛い目に遭わせやるんだから！」
すっかり元気になった金魚姫は、私から離れどこかへ消え去った
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 62人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はぐはまさ - 麻乃さん» そう言って頂けて嬉しいです！ありがとうございます、頑張ります(*´∀｀*) (2017年10月9日 18時) (
レス) id: 1a4672ac58 (このIDを非表示/違反報告)
麻乃(プロフ) - はぐはまささん» はぐはまささんの書かれる茨木童子かっこいいです、もっと読みたいです(*´-`*) これからも応援してますﾍ(*`∀´*)ﾉ (2017年10月9日 17時) (レス) id: 66c6973d83 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - 麻乃さん» ありがとうございます！！！( ´ ▽ ` ) (2017年10月9日 17時) (レス) id: 1a4672ac58 (このIDを非表示/違反報告)
麻乃(プロフ) - 更新お疲れ様です！(o´艸`) (2017年10月9日 13時) (レス) id: 66c6973d83 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - 召使い丁さん» いえいえ！逆に確率アップじゃない時に出るなんて、凄いですね(°_°) ありがとうございます！！ (2017年9月12日 8時) (レス) id: 1a4672ac58 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はぐはまさ | 作成日時：2017年4月30日 19時
