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おまけ 〜夜の夏祭り8〜 ページ34

「私を…探していただと?」

僅かだが茨木童子の殺気が少し収まった

「何?僕がAを攫ったと思っていたのか、茨木童子よ」

な、なんと…!とんだ誤解が

「貴様のことだ、こいつのことを気に入っているのだろう」

茨木童子は横にいる私の肩を引き寄せた

「な、何を直球に凄いこと言ってるの!?」

それより近いよ!何なの、妖怪はとにかく近寄らせるのが好きなの!?

心拍数が上がり、直視できず下を俯いた

やめてくれ〜こんなところから早く離れたいよ!

大天狗は何も答えず、後ろを振り返り歩き去ろうと足を前に動き始めた

「お、大天狗!」

大天狗は私の呼びかけに、足を止め私を見た

「あの、ありがと…ね?」

何でもっと私は可愛く感謝の言葉を述べられないんだろう

何となく気恥ずかしい…

「ふっ…そなた、衣が良く似合っている。綺麗だ」

「ええっ!?」

唐突に凄いこと言ったよこのイケメン

顔が徐々に赤くなっている私を気にせず、大天狗は人混みの中に歩き去って行った

………とてつもない殺気を出した鬼を置いて


「あの、茨木童子?」

「なんだ」

めっめちゃくちゃ御立腹だーーーーー完全に機嫌悪いよこの鬼

「ごめんね?勝手に歩き回っちゃって…」

私が、あの広場にいればよかったんだ

大天狗に濡れ衣を被せずにいられたのに

とてつもなく、2人に申し訳ない気持ちでいっぱいになった

そんなしんみりとした表情が出ていたのか、茨木童子は私の頭に優しく、手を置いた

「いや、私もすまなかった。我が友がいると思ったら居ても立っても居られず、君を置いて行ってしまった」

怒って…いるか?

そうやって鬼より小さい身長の私の顔色を伺うように、体を屈ませて覗き込んできた

何、この人子供みたい

私は思わず笑ってしまい茨木童子の頭を優しく撫でた

「ううん、怒ってないよ。こんな楽しい祭りに連れてきてくれたんだもの」

「…っそうか」

ならよかった、と安心しきったかのように声色が落ち着いた

あれ?

よく見たら、まだお面…つけてくれていたんだ

とっくに捨てられてたと思ってた

すると茨木童子の首元に、キラキラと銀色に光るものが私の視界に入った

…この前、私がお礼にあげたネックレスだ!

でもお祭り行くとき付けていなかったよね?

少し考えると、衣の襟の中に入れていたことにわかった

何だろ、少し嬉しい

思わず顔が緩む

「何をニヤついているんだ」

「ふふっ内緒!」

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設定タグ:陰陽師 , 茨木童子 , 大天狗   
作品ジャンル:恋愛
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はぐはまさ - 麻乃さん» そう言って頂けて嬉しいです!ありがとうございます、頑張ります(*´∀`*) (2017年10月9日 18時) (レス) id: 1a4672ac58 (このIDを非表示/違反報告)
麻乃(プロフ) - はぐはまささん» はぐはまささんの書かれる茨木童子かっこいいです、もっと読みたいです(*´-`*) これからも応援してますヘ(*`∀´*)ノ (2017年10月9日 17時) (レス) id: 66c6973d83 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - 麻乃さん» ありがとうございます!!!( ´ ▽ ` ) (2017年10月9日 17時) (レス) id: 1a4672ac58 (このIDを非表示/違反報告)
麻乃(プロフ) - 更新お疲れ様です!(o´艸`) (2017年10月9日 13時) (レス) id: 66c6973d83 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - 召使い丁さん» いえいえ!逆に確率アップじゃない時に出るなんて、凄いですね(°_°) ありがとうございます!! (2017年9月12日 8時) (レス) id: 1a4672ac58 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はぐはまさ | 作成日時:2017年4月30日 19時

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