おまけ 〜夜の夏祭り7〜 ページ33
飴を舐めながら歩いている私は、一向に飴を食べる様子のない大天狗を横目で見つめた
…もしかして苦手?なのかな?
私余計なことしちゃったのかも
「これA、余所見していると転んでしまうぞ」
「大丈夫よ、そこまでドジじゃ…きゃっ」
ドンッ
「A!」
すれ違う妖の肩がぶつかってしまいバランスが崩れて倒れそうになるところ、大天狗が捕まえてくれた
「ありがとう大天狗…」
………って、ちかい!!!!
大天狗が私を引き寄せたからか、体が密着していた
やばい、大天狗…良い匂いする
思わず鼻を擦りよせたくなる衝動をどうにか抑えた
「だから言っただろうに…っ」
大天狗も私と同じ事を思ったのか、僅かに頰を赤く染めた
大天狗は肌白だから、わかりやすい
「と、とりあえず離して?」
「あっああ…すまない」
この人といたら心臓持たないわ…
やっと解放されたと思った矢先、大天狗の黒くて大きい片方の羽が私を優しく包み込み、大天狗の方に無理やり寄せられ体が密着した
「なっ…!?」
なに、なにこれ、どういう状況なの!?
まさに距離がない、0センチ
「我の傍に近寄れ。そなたは危なっかしくて…放っておけない」
何で…そんな目で私を見るの?
大天狗の瞳の奥にほんの少し熱があるように感じる
「大天狗?あの…ここ、妖沢山いるんだけど」
周りを見渡すと、妖達が気にせずに歩き続けていた
運良く誰も気にしていない!フリをしていてくれた…
「何故、我が茨木童子を探してやると言った時空を飛ばなかったか…わかるか?」
なぜって、気まぐれ?とか?いや、この人に限ってそれはなさそう
私は首を横に振った
「我は、そなたと…」
「おい」
最後まで聞けず、気が付いたら誰かに引っ張られ大天狗と距離があいた
「…何だお前か、茨木童子。女1人を置いてどこをほっつき歩いていた?」
私を大天狗から引き離した鬼、茨木童子が殺気丸出しで大天狗を睨んだ
「貴様には関係ない」
やれやれ…と大天狗は呆れたかのように扇子を仰ぎ始めた
「ふんっ自分の都合で女を振り回すなど、呆れる」
大天狗は続けた
「茨木童子よ、くれぐれも傍にいてくれる存在を粗末にしないことだ。それでは大切な存在さえ守れないだろう」
「雑兵が!何をわかりきったことを!」
「だっだめ!茨木童子やめて!」
逆上した茨木童子が飛び掛かりそうなのを慌てて止める
「大天狗は私と一緒にあなたを探してくれたの!」
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はぐはまさ - 麻乃さん» そう言って頂けて嬉しいです!ありがとうございます、頑張ります(*´∀`*) (2017年10月9日 18時) (レス) id: 1a4672ac58 (このIDを非表示/違反報告)
麻乃(プロフ) - はぐはまささん» はぐはまささんの書かれる茨木童子かっこいいです、もっと読みたいです(*´-`*) これからも応援してますヘ(*`∀´*)ノ (2017年10月9日 17時) (レス) id: 66c6973d83 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - 麻乃さん» ありがとうございます!!!( ´ ▽ ` ) (2017年10月9日 17時) (レス) id: 1a4672ac58 (このIDを非表示/違反報告)
麻乃(プロフ) - 更新お疲れ様です!(o´艸`) (2017年10月9日 13時) (レス) id: 66c6973d83 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - 召使い丁さん» いえいえ!逆に確率アップじゃない時に出るなんて、凄いですね(°_°) ありがとうございます!! (2017年9月12日 8時) (レス) id: 1a4672ac58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はぐはまさ | 作成日時:2017年4月30日 19時