31話※ ページ32
※注意
「いっ…!」
アルハイゼンはAを自分の腕の中にしっかりと抱え込むと、眼下にある白い首筋に唇をつけ、印を付けた
「君が他の男に尻尾を振っている所を横目に読書をする時間は大層有意義な時間だったよ」
くっきりと白い肌に残された後が余計艶かしく見えて、アルハイゼンがもう一度唇を付けると、先ほどの痛みを覚えているAは反射的に身体をビクッと震わせた
「尻尾なんて振ってなっ…ん!」
身を捩りアルハイゼンの腕の中からどうにか抜けようとするが、思った以上にキツく抱き締められていてびくともしなかった
そんな抵抗をする私が癇に障ったのか、彼は1度目よりも強く首筋へ刺激を与える
「どうだか…
俺から好意を聞いているのに、他の男とルームシェアをしようとするとは、君にとって俺はどうでも良い存在のようだな」
「そんなわけない!
アルハイゼンは私にとって神様よりもっ…」
「口では幾らでもご機嫌が取れる」
私が弁解するよりも先に、口をアルハイゼンの口で塞がれてしまう
手で彼の胸板をどんどん叩いてみるが、その舌は激しさを増すばかりだった
「ある…! ん…っぁ」
初めは何をそんなに彼を悲しませてしまったのか、嫌われたんじゃないかと怖くて頭が回っていなかったが
だんだんとその恐怖も彼の与えてくる激しい劣情によって、ゆるゆるととろけだした
「こんな美しくだらしない目を、まさかとは思うがカーヴェにも見せているわけではないよな?」
唇を離してとろけて焦点の合わないAの瞳を見つめるためにぐいっと顎を持ち上げると、無理やり視線をぶつけさせた
「っ…してな…ぃに決まってる、でしょ…!
お願い、話を聞いてっ」
彼を怒らせたかったわけじゃない…
彼を蔑ろにしたかったわけじゃない…
誤解をさせたなら謝りたかった
「すまないが君の言葉を受け入れられる余裕が無さそうだ」
先ほどまでの怒気を含んだ瞳に劣情をだいぶ垂らして濁らせたような瞳のアルハイゼンは、Aの両腕を片手で締め上げると意図も容易くAをソファーへと押し倒した
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作者名:みずと | 作成日時:2023年7月5日 3時