【原神】瞳の奥に白昼夢 (ページ4)

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3話ページ4

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「今日の仕事は…あの家ね」

皮肉なものだ

自分の父親が暗殺されて今の状況になったと言うのに、その娘が黒装束に身を包み同じ行いを誰かにするのだ

Aは荒む気持ちに蓋をし、襲撃を指示された家へと侵入する

どうやらこのターゲットはうちの組のお得意様の旦那様の琴線に触れることをしてしまった様だ

『必ず生きたまま連れて来ること』

こういう指定がある時のターゲットは大体惨たらしい殺し方で依頼主の鬱憤を発散する流れだ

(ご愁傷様、悪く思わないでね)

今日は組の者が手回しして会食に連れ出した様なので、お酒と多少の薬が入ったターゲットの帰宅時を襲う算段

電気も付いていない部屋へと忍び込む

部屋は小綺麗に整った様子で、調度品なども高級品なものや高価そうな本が所狭しと積まれていた

(ターゲットは教令院の書記官と言ってたけど、本の虫なのね)

教令院と言えば、優秀な者にのみその扉が開かれるエリートが通う場所だ
本来であれば私もそこに通っているはずだった

そのために小さい頃から家庭教師をつけてもらい、同年代の子と遊ぶ事もせず勉学に励んでいた

(…その努力も、今じゃターゲットに近づくための技に成り下がっているけどね)

ターゲットはまだ帰ってこないはずでただ待っているのも手持ち無沙汰になり、数年ぶりに本を開いてみる
窓から入り込む月明かりを頼りにページを捲る

(…)

数年ぶりに読む本は元々学問が嫌いではない性格だった事もあるが、何も気にせず心を無にしていられる時間が魅力的だった

「…ほう、忍び込んでおいて本に夢中とは随分と間抜けな鼠が現れたと思ったが、その本を理解出来るのか」

「っ！！！」

本に気を取られていたAはゆらりと暗闇から出てきた影に気付きはすれど、反応した時には頭を強く床に打ち付けられ拘束されていた

(まだ帰ってこないはずじゃ…)

「あいにく、あんな分かりやすい罠にかかる程暇じゃないんでね。会食には酒が大好きなルームメイトに行かせてある」

そいつは私の懐を探ると、ターゲット捕獲様に持っていた縄を取り出し私の手を後ろに回すと両手を拘束した
ギリリッと縄がなるほど強く縛り上げられ、思わず唸り声が出た

「んぐ…っ」

「神の目持ちか…女で単独なのも頷ける」

神の目や暗器も取り上げていく中で、Aはただ無抵抗にその状況に身を任せていた

(私もここまでか… )

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