15話 ページ16
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「さて今後のことについてだが」
先ほどの雰囲気とは打って変わりくつろいだ様子の大マハマトラは“セノ”というらしい
セノはティナリの様な大きな耳をしているのかと思ったが、どうやらあの耳はあの被り物の飾りらしい
少し残念だ…
「無罪には出来ないと言ったが、お前は自主的にやった訳でもなく今後牢に入れて公正させる必要もない
しかし、一応形だけは監視できる状態を保たなければならないので、組織の罪状を整理するまで身元引受人をつける形がベストだと思う」
「身元引受人…ですか…」
母親がいるにはいるが、今は療養中で監督責任能力が無い
それに万が一親戚などと連絡が取れたとしても、黒い噂というものはそう簡単には消えないものだ
快く引き受けてくれる人は中々居ないだろう
となると今のAには誰もなってくれそうな人が浮かばなかった
「誰か心当たりがいないか？」
「…正直、いないですね」
ふむ…と考え込んだ後セノは少し間を置き口を開く
「では俺がお前の身元引受人になろう」
「え？」
突然の申し出にAは思わず立ち上がってしまった
「アザールの件でここまでスメール全体を脅かす事態になったのはマハマトラとして気付けなかった責任は大いにある
このくらいの事でお前の気持ちが晴れるとは思わないが、幸い俺も家にいる事が少ないから好きな様に使って構わない」
え？？
大マハマトラの家に住むって事？
セノが職務として今回の件で責任を感じてる事はわかったが、今日出会ったばかりの私になぜそんなよくしてくれるのかが分からずパニックになっていると、後ろでパタンとやけに大きな本を閉じる音がした
「君の手を煩わせる必要はない」
今まで全く興味がなさそうに本を読んでいたはずのアルハイゼンだったが、どうやら話は耳に入っていたらしい
「Aの身元引受人は俺がなろう」
スタスタと近寄ってきて、セノとAのよこに立つとジッとアルハイゼンがAの事を見つめていた
「…そうか、お前なら身元もしっかりしているし任せられるな」
「あぁ、
今後出掛ける時や出費がある時は都度言う様に」
Aがパニックに陥っている間にあれよあれよと事が進み、言われるがままサインを書くとそれを持ちセノは帰って行った
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作者名：みずと | 作成日時：2023年7月5日 3時
