13話 ページ14
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「この国の大マハマトラはいつでも持ち歩くほど七聖召喚を好んでいる
先に使いを出し、七聖召喚の機能を使い合流してもらった」
なるほど…
七聖召喚は近くのプレイヤーや、フレンド検索機能がついている
それを使ってアルハイゼンの後を追ってもらったと言う事だ
「今頃マハマトラ達が組織の取り調べをしている事だろう」
この人はあの短時間でここまで緻密に計画を練り上げたと言うのか
ただ普段通りの仕事をした様に説明しながらもコーヒー片手に本を読む彼を見ると、どれだけアルハイゼンが異質な存在かが分かる
「……神様みたいな人ですね」
ふと思ったことを呟いてしまった
「…どう言う思考をしたらその考えに至るんだ」
あまりにAが突拍子もない事を言ったのが響いたのか、本から目線を外しアルハイゼンはAの方へ顔を向けた
「いえ…聡明さも知恵の神様の様だし
私にとっては何もしてくれなかった神様よりも神様に見えます」
決して神様を否定しているわけではない
神にはこのスメール全てを見渡す役目があるのだ
国民の一人一人に手を差し伸べられるわけがない
それでも神にとっては砂漠の砂粒同然だとしても、その砂粒が私の全てなのだ
拾い上げてくれたアルハイゼンは私にとっては神様の様な存在に感じてならない
Aの真剣な眼差しを感じ、Aが決して適当を言っているわけではない事が分かってとりあえず満足したのかまた本に目線を戻した
「君の処遇だが、君の境遇も加味してもらえる様助言はするつもりだが、そこからは俺の領分ではないので手助けは出来ない」
「はい、もう十分です」
組織から救い出して貰った上に家族まで保護して貰えたのだ
これ以上望む方が罰当たりというものだ
それに人質を取られ無理やりやらされていたと言えど、犯罪の片棒を担いでいたのは確かだ
「ただカーヴェさんの事はこれいじょう責めないであげてくださいね?」
「彼はあれくらい言ったとしても何も変わらず自己犠牲の道を突き進むだろう」
「…心配なんですね」
Aがクスっと笑うと、まるでオバケでも見たかの様な訝しげな顔をしたアルハイゼンがいた
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作者名:みずと | 作成日時:2023年7月5日 3時