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10話 ページ11

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ティナリは手際良くカーヴェを診るとリュックから、色々な薬草を取り出して選別し始めた




「ふむ、幸い毒の類の症状は出ていないね
大方悪酔いする様な薬でも盛られたかな

とりあえずこの薬を煎じてくるから、その間ちょっとカーヴェのこと見ていてあげて」




そう言い残すとキッチンの方へと消えていった




音頭を取ってくれていた人が消え、この空間にはAと具合が悪そうに唸るカーヴェだけとなり気まずい空気が流れている








「あの…カーヴェさん
今回は巻き込んでしまいごめんなさい…」



不本意とはいえ片棒を担いでいたのは事実だ
その結果、カーヴェが薬を盛られるという事に発展したのだ

Aはカーヴェが横になるソファーの前へ膝立ちするとお水の入ったグラスをカーヴェへと差し出した





「あー…いや、あなたは1番の被害者だろ
うぅ…僕が文句があるのはアイツにだけだから、気にしないでくれ」


カーヴェが上半身を起こしてグラスを受け取ろうとしたが、朦朧としているのか体勢が不安定なので、Aがカーヴェの横に座り支えながら飲ませる


この人はこんな朦朧とした状態にまでされたのに他人を気遣うのか…




「それでも…!


…いえ、ありがとうございます…
今は安静にしてください…」




今カーヴェに必要なものは自分からの謝罪では無く休息だ

じゃなければ、きっとこの人は気遣いをしっぱなしになって今以上に疲れてしまうだろう
これ以上今謝罪を並べてもただの自分が伝えたいだけの自己満足になってしまう


そう感じたAは、カーヴェの言葉を否定しようとしてその言葉を飲み込んだ




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作者名:みずと | 作成日時:2023年7月5日 3時

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